ネームタグ型の軽量薄型バッテリー、セラミックバッテリー使いソフトバンクが開発

2017年7月20日 20:36

 ソフトバンクC&Sは20日、耐久性が非常に高く、薄型・軽量が特長の次世代バッテリーである「セラミックバッテリー」を内蔵したモバイルバッテリーを開発したことを発表した。

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 同社は次世代バッテリー技術を「Power Leaf(パワーリーフ)」と命名し、素材第一弾として「セラミックバッテリー」を採用している。第一弾商品として、バッグやスーツケースなどに取り付けるネームタグ型のモバイルバッテリー「Tag」を開発した。

 「Tag」は持ち歩いていることを意識させない軽量型バッテリー。フル充電してから1年後も約90%の電池残量と自然放電が少なく、切断しても発火や液漏れが生じないことから安全性に優れている。5ミリの薄型サイズかつ53グラムと携帯性も抜群であることも特長的である。同社は今後も安全性と快適な携帯性を実現したさまざまな製品を展開していく。

 「セラミックバッテリー」の特長としては「安全」、「薄い」、「フレキシブル」の3つが挙げられる。「安全」に関しては、発火や爆発が生じないバッテリー素材のため、液漏れの心配をする必要がなく、衝撃や切断においても安全に放電される。

 「薄さ」においてもセラミックバッテリーそのものはわずか0.38ミリ。従来のモバイルバッテリーの「重い」「かさばる」という弱点を克服し、薄さを生かした商品製造も可能としている。「フレキシブル」という特長に関しては、紙のように自由自在に湾曲できるため、さまざまなニーズに合った商品加工が実現できる。複雑な形状の実装も可能なことから、ウェアラブル端末との相性も良い。

 「セラミックバッテリー」は数年前よりその自由自在な形状により注目を浴びてきた。外殻が必要ないため、デバイスの薄型化を実現でき、スマホケースや時計のバックル、ベルトなどにも活用することができる。GPSや加速度センサーを内蔵することで、センサーデバイスとして機能させることも可能だ。コストにおいても従来のリチウムイオン電池と遜色ない程度に近づいていることから、今後は量産体制も期待されている。

 ソフトバンクC&SはIT流通事業を軸に、モバイル周辺機器から通信インフラ、IoTソリューションまで最先端のプロダクトとサービスを展開している。スローガンとして「Focus」を掲げることで、次世代バッテリー技術を新しいチャレンジの柱に育てあげるべく注力してきた。

 バッテリー技術は耐久性や軽量化、薄型化などにおいて、技術革新がもっとも緩慢な分野として技術者の頭を悩ませてきた。セラミックバッテリーの量産化が可能になれば、搭載されるデバイスの在り方も激変することがあることから、今後も注目していきたい。

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