【編集長の視点】リファインバースは反落も新工場竣工を手掛かりに業績続伸期待を高めて下値買い継続

2017年7月19日 08:58

 リファインバース<6531>(東マ)は、前日18日に37円安の2910円と反落して引けた。前日に日経平均株価が、約1週間ぶりに心理的なフシ目の2万円台を割れたことから、同社株にも目先の利益を確定する売り物が出た。ただ同社は、目下集計中の前2017年6月期決算の発表を今年8月14日に予定しており、これを前に7月6日にリノベーションセンター(千葉県富津市)が竣工し、新工場効果で今2018年6月期業績が続伸するとして下値に業績期待の買い物が続いた。同社製品の価格優位性に密接に関係する米国の原油先物(WTI)価格が、今年6月に一時、1バーレル=42ドル台まで売られたが、足元では46ドル台まで持ち直していることも、フォローの材料視されている。

■新工場に生産拠点を集約し新規技術開発の自動車エアバッグのリサイクル事業も展開

 リノベーションセンターは、2017年2月に着工した新たな生産・研究開発拠点で、同社グループの生産拠点を集約するとともに、新規技術開発した自動車用エアバッグを原料とした再生ナイロン樹脂の製造なども順次行っていく。第1期工事としては、再生塩化ビニル樹脂製造設備と製鋼副資材製造設備を設置し、7月からの試運転期間を経て本格生産を開始する。

 この新工場竣工に伴う子会社の設立・吸収合併などのグループ組織再編や生産拠点集落になどにより、同社の前2017年6月期業績は、今年5月15日に期初予想が修正され、売り上げ、営業利益、経常利益が下方修正される一方、純利益は上方修正された。下方修正は、開発案件が当初予想より早いペースで進捗し事業化が前倒しになり研究開発費や新規事業立ち上げ費用などの販管費などが増加したことなど前向きの要因によるもので、純利益は、生産拠点集約による減損損失と組織再編に伴う税効果の影響が相殺され上方修正となった。

 それでも、前2017年6月期業績は、売り上げ23億5000万円(前々期比10.8%増)、営業利益2億8200万円(同5.6%増)、経常利益2億6300万円(同6.4%増)、純利益3億1500万円(同92.0%増)と前々期対比で増収増益をキープし、純利益は、前々期の過去最高を更新する見込みである。続く今2018年6月期業績は、純利益が税効果の一巡で減益となるものの、2020年の東京オリンピックを控えたインバウンド(外国人観光客)需要に関連した商業施設やホテルなどの大型改修工事関連の受注増に加え新規事業や新工場効果などで売り上げ、営業利益、経常利益は続伸が有力で、東洋経済会社四季報最新号では売り上げ27億円、営業利益4億円、経常利益3億8000万円と観測している。

■分割後高値から安値への調整幅の3分の1戻しを固め急騰特性再現の基盤整う

 株価は、今年3月31日を基準日とした株式分割(1株を2株に分割)の権利を7290円で落とし、分割権利落ち後高値3920円から同安値2700円まで突っ込み、下げ過ぎとして3275円までリバウンドし再度、2801円まで調整して2番底を形成した。同安値から自動車用エアバッグ基布素材リサイクルの新規事業開始を再評価して3400円高値をつけ、足元では権利落ち後高値から同安値への調整幅の3分の1戻し水準でもみ合ってきた。昨年7月の新規株式公開以来再三のストップ高を演じた急騰特性の再現期待を高めて一段の戻りを試そう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

関連記事

最新記事