20年で子どもの意識はどう変化?海外への関心低下、テレビの信頼度上昇
2017年7月19日 07:23
博報堂生活総合研究所が18日、1997年から実施している「旅行・海外意識」「メディア調査」に関する子どもたちの意識調査結果を発表した。海外への関心は低下し、旅行先は国内希望。最も欲しいものは自分専用のスマートフォンで、テレビの情報の信頼度は上がりネットは低下、SNS使用には慎重という、現代の子どもの姿が浮かび上がった。
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調査の対象となったのは、小学4年生から中学2年生の首都圏に住む子どもたち。1997年から10年ごとに行っているアンケート調査で、質問内容は毎回ほぼ同じとなっている。今回の発表は6月8日に発表した2017年調査結果の続報にあたる。
調査開始から20年経った今、旅行・海外意識で大きかった変化はまず家族旅行の行き先だ。1997年は日本が41.3%だったが、今年は60.0%と過去最高を記録。反対に、外国は44.2%から30.5%に低下し、過去最低となった。
海外への関心を測る、「世界全体のことを考えるべき」「日本のことを考えるべき」どちらかを選ぶ設問では、日本が過去最高の54.0%で、世界全体が過去最低の45.9%。97年の日本37.3%、世界全体61.8%から逆転した形だ。また、将来の海外留学を望まない人は76.0%、仕事を望まない人は87.6%と、海外への関心自体が低下している。
メディア調査でも、目に見えて変化があった。新しく買いたいものとしては「自分専用のスマートフォン」が44.9%でトップ。テレビ、パソコンを抑えての1位となった。
なお、6月8日に発表された別項目の調査結果において、子どもが利用しているデジタル機器ではスマートフォンが最も多く、ゲーム機やパソコンを約20ポイント上回っていた。インターネットで利用しているサービスとしては、検索サイトと動画共有サイトがともに80%を超えた。
他方、メディアへの信頼度におけるテレビの順位は上がり、「本当のことが多い」と考える子どもは97年の47.9%から71.3%と過去最高の割合に。インターネットは2007年の40.8%から29.0%まで下落した。他メディアも含めた順位は、上から新聞、ラジオ、テレビ、雑誌、インターネットとなっている。
SNSについては、子どもたちの警戒意識が色濃く出た。「SNSで知り合った人に会うのはこわいと思う」で「はい」を選んだ子どもは62.5%。「SNSを使うときは気をつかう」も53.4%で、「SNSを使うのは楽しい」(37.9%)や「SNSで友達をつくりたい」(22.0%)といった肯定的な意見より高くなっていた。(記事:小椋恒示・記事一覧を見る)