展覧会「絹谷幸二 色彩とイメージの旅」が京都で

2017年7月15日 18:08

 展覧会「絹谷幸二 色彩とイメージの旅」が、京都国立近代美術館にて2017年8月22日(火)から10月15日(日)まで開催される。

 本展は、日本の美術界において第一線で活躍している作家・絹谷幸二の、多彩な仕事の全貌に迫る展覧会。初期から現在に至るまでの絵画の代表作が展示されるほか、陶芸やガラス作品、映像作品といった幅広い表現活動まで一挙に紹介される。

■日本の第一線で活躍する画家・絹谷幸二

 絹谷幸二は、1966年に東京藝術大学美術学部油画科を卒業後、同大学院の壁画科へ進学し、ヨーロッパの壁画技法であるアフレスコ(フレスコ画)の研究に没頭。1971年にイタリアへ留学し、アフレスコ古典画法および現代アフレスコの研究に取り組み、帰国後に画家の登竜門である安井賞を歴代最年少で受賞した。

 絹谷の作品は、アフレスコ技法を駆使した色彩豊かでエネルギッシュな画面が特徴だ。劇画の要素を取り入れた表現によって、新たな絵画ジャンルを切り開くなど日本の文化発展に貢献したほか、日本芸術院会員、文化功労者としても活躍している。

■本展の見どころ

 本展の見どころは、初期の代表作として知られる《アンジェラと蒼い空Ⅱ》が、これに先立つ《アンジェラと蒼い空Ⅰ》と初めて並んで展示されることだ(※前期のみ)。また、興福寺の国宝《無著・世親立像》を描いた《無著・世親》の初公開も、見どころのひとつとなる。

■展示構成

 展示構成は、絹谷が少年時代から抱き続ける無常観を表現した、初期の“蒼のシリーズ”から始まり、イタリア留学によって色彩が花開いた70年代初頭の作品、安井賞受賞作である《アンセルモ氏の肖像》、絹谷作品の主要テーマである“肖像画”作品まで、年代順に展開される。

 さらに、立体や陶芸、ガラス、映像といった幅広い媒体で表現された作品も登場。それらを通して、常に変化したイメージを展開する作家の頭の中をのぞくことを試みる。映像では、三面スクリーンに絹谷作品のモチーフが縦横無尽に駆け巡る壮大なスケールの作品が出品される。

 そのほか、故郷である奈良を描いた絵画や、本展のために制作された京都を題材とした新作も初公開。日本とイタリア2つの故郷を持つ絹谷による多彩な表現の数々は、観るものを飽きさせることなく、常に新しい世界を見せてくれるだろう。

■梅田の「絹谷幸二 天空美術館」にて特別展示を開催

 なお、大阪・梅田スカイビル27階にある「絹谷幸二 天空美術館」にて、2017年8月16日(水)から11月27日(月)まで、展覧会開催を記念した特別展示が行われ、アフレスコの傑作《光ふる街》が初公開される。本美術館は、絵の中に飛び込む大迫力の3D映像体験や、アフレスコとミクストメディアによる作品などを楽しめる、新型ミュージアムとして知られている。

■詳細

 展覧会「絹谷幸二 色彩とイメージの旅」会期:2017年8月22日(火)~10月15日(日)前期:8月22日(火)~9月18日(月・祝)/後期:9月20日(水)~10月15日(日)会場:京都国立近代美術館 3階 企画展示室住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町26−1開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで) ※金・土曜日は21:00まで開館(入館は20:30まで)休館日:月曜日、9月19日(火)、10月10日(火) ※ただし9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開館。観覧料:一般 1,400(1,200)円、大学生 900(700)円、高校生 500(300)円※カッコ内は前売りと20人以上の団体料金。前売り券は8月21日(月)まで販売。※中学生以下無料。※心身に障がいのある方と付添者1名は無料。※「絹谷幸二 天空美術館(梅田スカイビル)」とのセット券を10月15日(日)まで1,900円で販売。【問い合わせ先】京都国立近代美術館TEL:075-761-4111■「絹谷幸二 天空美術館」特別展示会期:2017年8月16日(水)~11月27日(月)会場:絹谷幸二 天空美術館住所:大阪市北区大淀中1-1-30 梅田スカイビルタワーウエスト27階入館料:一般 1,000円、大・高・中学生 600円、小学生以下無料※詳細は公式HPまたは電話で確認。【問い合わせ先】絹谷幸二 天空美術館TEL:06-6440-3760

関連記事

最新記事