Microsoftのフォント「Calibri」、文書偽造の証拠に

2017年7月15日 15:19

パキスタンのナワズ・シャリフ首相はパナマ文書に関連して合同捜査チーム(JIT)による捜査の対象となっているのだが、潔白を証明するために最高裁判所へ提出した文書で、文書の日付の時点では一般に提供されていなかったフォント「Calibri」が使われていたため、JITでは文書が偽造されたものと結論付けたそうだ(The Next Webの記事Softpediaの記事Neowinの記事Ars Technicaの記事)。 この文書はシャリフ首相の後継者と目される娘のマリアム・ナワズ・シャリフ氏が父の潔白を証明するため、2006年に作成したというもの。しかし、この文書で使われているCalibriフォントは2004年に開発されたものだが、2007年にMicrosoft Office 2007がリリースされるまでは一般に提供されていなかったという。Word 2007では英文編集時のデフォルトフォントとしてCalibriがTimes New Romanを置き換えており、最新版のWordでもCalibriがデフォルトになっている。 JITではこの文書が裁判所を欺くために偽造されたとの結論に達しているが、マリアム・ナワズ・シャリフ氏はこの結論を否定している。 なお、2007年以前の作成とされる文書でCalibriが使われ、偽造が指摘されるのは今回が初めてではないそうだ。トルコでクーデター計画に関与したとして300名以上が2012年に起訴された際、2003年作成とされる証拠の文書でCalibriが使われていたという。しかし、この文書は有効な証拠とされ、被告は有罪判決を受けたとのこと。また、1973年にタイプライターで作成されたはずの文書がMicrosoft Wordで作成されたのではないかと指摘されたキリアン文書のような例もある。

関連記事

最新記事