日本人は食品成分に無頓着 リスク大の摂りすぎ注意な成分とは?
2017年7月8日 20:54
日本では認知度の低いトランス脂肪酸、実際に、この成分を理解している人は少ない。トランス脂肪酸は、いわゆる脂質だ。米国ではアメリカ食品医薬品局(FDA)がその使用を禁止した。食品の専門家は、日本人のトランス脂肪酸の摂りすぎを指摘している。
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食品の成分に関する意識調査委員会が20歳~69歳までの男女1,000名を対象に、トランス脂肪酸の摂取をはじめ食品の成分に関する意識について調査を実施した。
最初の質問では、普段、食べるものについて気にしているか?という質問。約4割の人が自分の食生活について「気になる」と回答。食品を選ぶ際の優先順位の第1位は「価格」、続いて「味」「成分」という順だった。多くの人が日頃の食品選びにおいて、成分よりも価格や味を優先していることが明らかになった。
「全く気にしない人」「何となく悪い成分を避けている人」という人も多く、子どもに成分的に悪いものを食べさせても「しょうがない」「特に気にしない」と考えている人が約3割という結果も出た。
日本人は食品に含まれる成分について深く考えている人は少ないようだ。だが、成分の中には、摂取し続けることによって、人体にとって有害なものも存在する。例えば、悪玉コレステロールは一般的に体に悪いことが知られている。その悪玉コレステロールを増加させる特徴を持つ成分の一つとして「トランス脂肪酸」がある。
トランス脂肪酸がどんな食品に含まれているか?という質問には約8割の人が知らないと回答、知っている人は約2割だった。トランス脂肪酸は一般的に、マーガリンやファットスプレッドなどに含まれている。私たちの身近な食品に多量に含まれているのだ。
少々怖い話だが、米国の医学雑誌「The New England Journal of Medicine」によると、トランス脂肪酸は血液中のいわゆる「悪玉コレステロール」を増やし、「善玉コレステロール」を減らすという研究結果が出ている。過剰に摂取すると、心筋梗塞、狭心症などの冠動脈心疾患のリスクを高めると言われている。
私たち日本人は食べ物の美味しいへの追求・反応する人は実に多いが、食品成分への理解は欠けているのが現実だ。これからの時代、美味しくかつ安心・安全な食べ物を探求することも大切なのかもしれない。(記事:久保圭大郎・記事一覧を見る)