【新規上場(IPO)銘柄】SYSホールディングスは車載ECUの受注や電力・ガス自由化でソフトウェア投資に期待
2017年7月7日 08:52
SYSホールディングス<3988>(JQS)は、6月30日に東京証券取引所JASDAQに上場した。同社グループは、純粋持株会社である同社、国内連結子会社5社、海外連結子会社1社の計7社で構成されており、システムの開発及びソリューション・サービスの提供を中核とする総合情報サービス事業を運営している。
グローバル製造業ソリューションでは、主に、自動車、重工業、工作機械、鉄鋼、搬送機等の関連企業を主要顧客として総合情報サービスを提供している。社会情報インフラ・ソリューションでは、電力・ガス等のエネルギー、生命保険・クレジットカード、リース・証券等の金融、印刷帳票、鉄道、不動産関連の企業や官公庁・自治体等を主要顧客として総合情報サービスの提供を行っている。モバイル・ソリューションでは、流通グループ、訪問介護、鉄道、医療、ロードサービス等の業種をエンドユーザーにモバイル・アプリケーション等によるサービスを提供している。
2017年7月期第3四半期業績実績は、売上高29億4900万円、営業利益1億7500万円、経常利益1億8200万円、純利益1億5200万円に着地。グローバル製造業ソリューションにおいては、自動車関連のECU(電子制御ユニット)分野や工作機械、搬送機メーカー系顧客からの受注の増加。社会情報インフラ・ソリューションにおいては、広告系顧客や金融系顧客からの受注の増加。モバイル・ソリューションにおいては、訪問介護業界向けにカスタマイズしたFieldPlus等の製品販売による使用料や保守料は増加したものの、ロードサービス関連顧客が顧客グループ会社へ発注を行う方針に転換したことから同社グループへの発注が減少したが、全体としては収益構造の安定化と利益を確保している。
2017年7月期業績予想は、売上高38億9600万円(前期比3.8%増)、営業利益1億8700万円(同8.3%増)、経常利益1億9100万円(同9.8%増)、純利益1億5800万円(同9.7%増)を見込む。配当予想は、期末一括20円を予定している。上場で調達した資金は社内システム刷新や東京事務所移転に充当する。
株価は、上場初日の6月30日に公開価格2560円の2.2倍に相当する5530円で初値をつけ、同日高値5700円と買い進まれた後。7月6日安値4025円と調整している。成長が見込まれる車載ECU(電子制御ユニット)や電力・ガス自由化によりソフトウェア投資が行われる社会情報インフラ関連企業からの受注を見込んでいる。7月本決算の発表は9月に予定しており、まだ2か月ほど先だが、18年7月期業績予想に対する期待感はある。(株式評論家・信濃川)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)