人手不足続く建設業界、有効求人倍率は4.92倍

2017年7月7日 09:08

 ヒューマンホールディングス<2415>の事業子会社で、人材紹介・エンジニア派遣・行政自治体向けアウトソーシング事業などを行うヒューマンタッチは、最新の建設業界の人材関連の様々な情報、最新の雇用関連データをまとめた。

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 同社のレポートによると、2017年4月分の建設業の就業者数は、492 万人(前年同月比98.2%)、雇用者数は394 万人(同97.3%)と、いずれも減少した。なお、ここでの就業者は賃金、給料、諸手当、営業収益、手数料、内職収入など収入になる仕事を少しでもした者と定義する。 

 産業全体では、就業者数は、6,500 万人(前年同月比80 万人増)で52 ヶ月連続の増加、雇用者数も、5,757 万人(同57 万人増)で同じく52 ヶ月連続の増加となっており、雇用環境は改善基調が続いているといえるなか、建築業は就業者数・雇用者数いずれも減少している。特に、建築業の就業者数は、対前年同月で9 万人の減少となり、全産業のなかで最も就業者が減少した。

 また、建設業のその月に募集を開始した新規求人数は67,464 人(前年同月比106.7%)と9 ヶ月連続で増加した。前月から未充足のまま繰り越された求人と新規求人を合算した有効求人倍率は、「建築・土木・測量技術者」で最も大幅に上昇し、前年同月比0.82 ポイント上昇で4.92 倍と高水準が継続している。「建設・採掘の職業」の有効求人倍率も、前年同月比0.74 ポイント上昇で3.73 倍となっており、建設業における人材不足は深刻な状況が続いている。

 

 この要因のひとつとして、建設業では他産業以上に高齢化が進んでいることや女性の活用が進んでいないことが大きな課題とされており、建設業の人材確保・育成に向けた官民協働の取り組みが期待される。(編集担当:久保田雄城)

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