【新規上場(IPO)銘柄】ツナグ・ソリューションズは、M&A・事業提携など中長期的な戦略に期待
2017年7月6日 09:11
ツナグ・ソリューションズ<6551>(東マ)は、本年6月30日に東京証券取引所マザーズに上場した。同社グループは、採用市場のインフラとなるべく、グループ5社で人材の集客から、採用、定着に至るまでのあらゆるサービスをワンストップで提供している。アルバイト・パート採用における様々な悩みを解決するRPO(リクルートメント・プロセス・アウトソーシング)を中心とした「人材サービス事業」、求人サイトの企画・運営を主力とした「メディアサービス事業」、そして「リテールサービス事業」の3つの事業を展開している。
RPOサービスは、主にアルバイト就労者数500名以上、30店舗以上の企業を対象としているが、今後、該当企業群への更なるアプローチ、同社ブランドの知名度向上を図ることで、顧客層の拡大を狙っている。また、これまで外注化していたコールセンター、原稿制作、研修等周辺サービスを内製化することにより、収益向上を図ってきたが、これらを深耕するとともに、他領域にも広げ収益効率の最大化を目指している。加えて、3500億円規模の求人メディアサービスマーケットにおいては、インディバルの主力メディアである「ショットワークス」「シフトワークス」を軸に、専門特化型のカテゴリーサービスを順次展開していくことで、規模と収益拡大を図っている。
今2017年9月期第2四半期業績実績は、売上高34億0900万円(進捗率53.3%)、営業利益1億8600万円、経常利益1億8100万円、純利益8600万円に着地。第2四半期営業利益は通期計画に対する進捗率が63.6%と順調に推移。
今17年9月期業績予想は、売上高63億8800万円(前期比25.6%増)、営業利益2億9200万円(同27.0%増)、経常利益2億6900万円(同20.1%増)、純利益1億2000万円(同12.3%増)を見込む。上場で調達した資金は人工知能(AI)など自動化に向けたIT(情報技術)投資や新規サービス開発に充てる計画。配当については、無配を予定している。
株価は、上場初日の6月30日に公開価格2130円の2.1倍に相当する4515円で初値をつけ、7月4日高値6400円と買い進まれ高人気となっている。RPOサービスが、潜在顧客を掘り起こす余地が大きいと見られ、東京五輪までに売上高250億円を目指すことへの期待が高まったもの。中期成長戦略においては、「GLOBAL」「HR-TECH」をテーマにM&A・事業提携、収益力向上のためIT投資、現地と国内の給与差からのコストメリット、時差からくる24時間対応などオフショアメリットを考えた上での展開を行う計画で、高い成長が続くと期待される。公募価格の約3倍と人気化しただけに高値波乱の展開も想定されるが、短期的には突っ込み場面では、買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)