”月曜日の大虐殺”より暗号通貨市場は立ち直り、ビットコインの価格は先頭を走る
2017年7月5日 12:58
*12:58JST ”月曜日の大虐殺”より暗号通貨市場は立ち直り、ビットコインの価格は先頭を走る
一週間の間に何が変わっているか。先週の月曜日、暗号通貨市場は6月中旬の高値から250億ドルを超える下落を経験した。その数値はこれまで最悪で、暗号通貨市場全体の時価総額は880億ドルまで低くなった。市場は週後半に回復し始めたが、先週末の市場のスランプによりダメージを受けた。
ほぼすべての暗号通貨がポジティブな価格変動をしたため、暗号通貨は月曜日にその落ち込みを振り払った。現在、暗号通貨市場の時価総額は1015億ドルである。
ChartfromCoinMarketCap
■Bitcoin(ビットコイン)の価格
ビットコイン価格は回復しており、5.6%上昇して2,573ドルとなった。ビットコインは6月27日に2,333ドルまで下落したが、200ドル以上回復をした。ビットコインの時価総額は現在約423億ドルである。
ChartfromCoinMarketCap
今後のネットワークフォークとスケーリング議論の後、ビットコインの回復が続くかどうかは興味深い。一部のアナリストは、フォークがスムーズに行かなければ、潜在的な問題を避けるために投資家がビットコインを売却し、ビットコインの価格を急激に下げると予測している。しかし、ビットコイン価格の長期的な見通しは依然として良好である。ゴールドマン・サックスは、ビットコインの価格が約1,850ドルまで下落し、その後、投資家のの強気な動きによって、4,000ドル近くまで上昇するとの報告を発表した。
◇ゴールドマン・サックスのチーフアナリスト、ビットコインは$4000近くまで上昇とみる
■Ethereum(イーサリアム)価格
イーサリアムも市場が低迷した月曜日から回復の恩恵を受けた。イーサリアムの価格は6%以上上昇し、287ドルとなった。しかし、イーサリアムの価格はビットコインと比較して、小さく下落した。イーサリアムは現在、267億ドルの時価総額を有しており、ビットコインとの差は約156億ドルだ。
◇なぜ今年EthereumがBitcoinを追い抜くのか
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■Litecoin(ライトコイン)価格は50ドルに到達する
トップ100のほぼすべてのアルトコインはプラス価格の動きを記録したが、中でもライトコインとBitShares(ビットシェアーズ)は大幅な上昇を記録している。ライトコインの価格は約22%上昇し、約48ドルとなった。ライトコインはこれまでで最高値の52ドルを記録している。
ChartfromCoinMarketCap
ビットシェアーズも月曜日に大きな利益を上げた。暗号通貨市場で10位にランクするビットシェアーズは、18%上昇して約0.24ドルになった。
■ICOの記録を更新した”EOS”突如現れる
ライトコインの反発も印象的だったが、EOSのICOはより印象的だった。EOSは、スタートアップ企業のBlock.One社に約185百万ドルの資金を調達させ、新たなICOの記録を打ち立てた。Bancorは過去に35百万ドルを調達したが、EOSの記録はBancorの記録を小さな記録のように思わせた。EOSのICO後、EOSの時価総額は約7百万ドルに到達し、暗号通貨市場でトップ10に入った。
ChartfromCoinMarketCap
EOSの価格は初日の取引で大きく変動しており、暗号通貨市場でトップ10あたりを行き来した。しかし、全体的な価格の動きは上昇傾向である。この記事を書いている時点で、EOSの価格は3.91ドルで、時価総額のランキングでは11位であった。
■フリップニングの行方
先週の仮想通貨マーケットの低迷により、ビットコインの時価総額はイーサリアムの時価総額に差をつけることができ、フリップニング(Flippening)が差し迫っているという話は無くなった。イーサリアムは6月が終わりに近づくにつれ、徐々にビットコインとの差をを埋めていたが、7月の最初の3日間はビットコインの方が良い方向に進んだ。
ChartfromCoinMarketCap
月曜日、仮想通貨市場でのビットコインの時価総額は41.7%のシェアに上昇した。一方、6月中旬のある時点で、33.5%以上のシェアを占めたイーサリアムは現在、26.3%となっている。ライトコインの時価総額のシェアは、2.44%に上昇し、リップルはわずかに減少し、9.84%となった。(出典:CryptoCoinsNews)
■エムトレの視点
ビットコインのネットワークフォークやスケーリング問題がどのように進展するのか、判断は難しいところであるが、それが仮想通貨(暗号通貨)全体のプライスを不安定にさせているのだろう。8月から11月と言われているフォークが実際に行われるかというと、1ヶ月を切った現時点で議論がまとまらない状況であることから8月1日というのは困難であるように感じる。価格の不安定感は現状の仮想通貨にはつきものであるが、長い目でみると上昇傾向に向かうと見て良いだろう。またEOSの記録的なICOによる資金調達はICOバブルに近いものを感じる。しかしながらこの流れは今後もしばらく続くだろう。
【ニュース提供・エムトレ】《FA》