『 夏目友人帳 陸 』第11話(最終回) 「大切なモノ」【感想レビュー】
2017年6月28日 11:19
記事提供元:アニメコラムサイト|あにぶ
6月も残すところあとわずか。そんな中、少し早いですが、『夏目友人帳』の第6期は最終話を迎えました。
■的場一門も参戦
2話構成のため、前回の続きからです。
名取さんと共に、亡くなった祓い屋の屋敷へ赴いた夏目とニャンコ先生。貴重な資料が眠っている書斎を無事見つけることが出来るのか?
というのが前回の内容でした。
あらすじを終えたところで、最終話がスタート。
夏目は名取さんから、的場一門も来ていることを聞きます。
夏目は立場上、妖の味方になることもある人間です。名取さんも祓い屋ですが、妖に対しては理解のある優しい男です。
しかし、的場一門は妖を道具や祓うべき対象としてしか見ていない、危険な人達です。彼らに貴重な資料、もとい力を奪われるわけにはいきません。
一層、気合を入れて書斎探しをすることに。的場が出てくると、一気にシリアスになるのがこのアニメです。
■ナツメグです
途中、名取さんの同業者が声をかけてきて、一応部外者である夏目は、仮面をつけ名取さんの式である妖のふりをすることに。
名取さんはとっさに、「今使えるかお試し中のナツ……ナツメグです」と紹介します。
適当すぎるネーミングに、思わず吹き出す柊とニャンコ先生。
筆者はごちうさを思いだしました。
屋敷はとても広いのですが、生活感のあるものがほとんど存在していません。
持ち主である箱崎さんは、孤独な人だったようです。
事実、前回のエピソードでも、孫娘に厄介者扱いされていました。
けれど、孫娘はこうも言っていました。
自分のために祖父が楓の木を植えてくれた、と。
孫娘はその木のことすらあまり大事には思っていないようでしたが、箱崎さんの方は違ったのかもしれません。
「俺ならその楓が見える部屋にいたいなと思ったんです」
心優しい夏目は、とっとと屋敷を売り払ってしまいたい依頼人である孫娘ではなく、箱崎さんの気持ちを想ったのです。
■ついに現れる箱崎さんの式
そうして木の見える部屋を探していく中で、ついに箱崎さんの式であった竜に出会います。
竜は箱崎さんについて教えてくれます。
箱崎さんは多くの妖と楽しく過ごしていた。
けれど、いつか楓の木の下に孫娘がやってきてくれるのではないかと、いつも寂しそうに待ってもいたようです。
「箱崎さんが大切にしていたものを、大事にしてくれる人に預けたいんです」
夏目は、多くの祓い人が押し寄せていることを説明し、箱崎さんのために竜にお願いします。
夏目だって、資料を通して妖について詳しくなりたいと思っているはずです。それでも、自分のためではなく誰かのために行動する。
それが夏目の脆さであり、良い部分でもあるのです。
しかし竜は、奪われるくらいならすべて持ち去ることを決意。
蒼い炎で書斎の中身だけを焼き払い、屋敷を去っていきます。それを見た的場一門は、悔しそうに去っていきます。
■抱えていた秘密を、打ち明ける
そして夏目は、燃える書斎を見つめながら、祖母であるレイコと友人帳について、名取さんに話します。
「大変なものをひとりで抱え込んでしまっていたんだね」
そう口にする名取さんに対して、
「そうでもないですよ」
と笑う夏目。
今までの名シーンや、友人達との日常シーンもバックに流れました。
友人帳は厄介なしろものだけど、そのおかげで多くの出会いに恵まれ、孤独だった夏目を変えていったのです。
EDでは学校での日常シーンも流れました。
実に最終話らしい演出に、これで終わりなのかぁと少し寂しくなる一方で、夏目友人帳ならまた続きを放送してくれるのでは?
と思ってもみたりして。
■次回への怪しい話を残した『 夏目友人帳 陸 』6期
今回のポイントは、竜が昔に夏目そっくりの男と出会っていた、という話です。
今まで祖母のレイコに関するエピソードはあっても、祖父に関してはまったく触れられていませんでした。
ファンの間では、昔レイコとなにかあったらしいニャンコ先生が、実は夏目の祖父なのでは?という説もあります。
妖力の強いレイコと、大妖怪であるニャンコ先生との間に誕生したハーフなのであれば、夏目の妖力が強いのもわかります。
しかし、夏目が生まれていない時代にニャンコ先生が夏目そっくりの男に化ける理由はありませんから、違うのかもしれません。
もっとも、竜の言う男が夏目の祖父なのかどうかも謎ですが。
最後の最後で新しい謎を残していきました。
やっぱり、続きやりますよね?
『 夏目友人帳 陸 』(夏目友人帳 6期)感想レビューのまとめ
(あにぶ編集部/星崎梓)
©緑川ゆき/白泉社・「夏目友人帳」製作委員会