エトロ、2018年春夏メンズコレクション - 50年目の神秘的な夢物語

2017年6月23日 11:28

 エトロ(ETRO)が2018年春夏コレクションをイタリア・ミラノで発表した。

 2018年春夏コレクションはブランド50周年の年。ランウェイはウィメンズコレクションの際に発表することとし、メンズコレクションはプレゼンテーションでの発表となった。

 節目を迎えた今季、エトロは神秘的で寓話のような世界を描いた。聖なる牛、天国に牙をのばすゾウ、サイケデリックなカエル、タントラのカップル、そしてタロットカード。スピリチュアルなものたちがともに存在する場所だ。エトロのアイコンであるペイズリー柄のスーツには女神が隠れているし、ミリタリーなカーゴコートにはスタッズの集合体がゾウを象っている。

 職人技の光るエスニックな装飾は、今シーズンを輝かせる手法として、ノーカラーシャツのビーズでできたて刺繍のフラワーモチーフや縁飾りも、ブレザーへのカラフルなパッチワークもそう。特に50周年を祝すべく登場するブランド創業時に生まれたアーカイブパターンのプリントは、シンプルなブレザーに重厚感と華やかさを与えてくれる。

 ベースは、マルチカラーのペイズリーや軽量化されたコットンなど、あえてインフォーマルなもので構成。特に、中心に用いたのはリネンだ。リネンといっても様々で、例えばライトブラウンのトラウザーは、上質なレーヨンを混合させたラフなテクスチャー。独特のドレープ感を出している。そして、カラーは、スピリチュアルをテーマにコーラル、ターコイズ、アースブラウンなど。今回の夢物語を超自然的に彩っている。

 そして何より、個々のアイテムがとてもリラクシングだ。スーツとは言え、先述したような素材かつ柄で、それぞれが気取らない雰囲気。ボトムスに至っては、サルエルパンツや足首を絞ったスラックスなどが登場している。小物類も、フリンジ付きのレザーバッグやいろんなパターンで組み合わせたエスパドリーユなど。カジュアルにこの寓話を楽しめるものを、汲まなく散りばめている。

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