限りなく“レベル2”の自動運転に近い「アイサイト」、大幅進化版登場

2017年6月20日 08:15

 SUBARUは、同社の安全運転支援システム「アイサイト」を大幅進化させると発表した。

 同社は2008年に「ぶつからないクルマ」として「アイサイト」を搭載したレガシィを発表し、現行では「アイサイトVer.3」まで進化させてきた。「アイサイト」は、ステレオカメラによる前方状況認識と高度な制御で安全運転を支援する、SUBARU独自のシステムだ。

 今回発表した「アイサイト」の新機能として、高速道路の渋滞時を含む全車速域でアクセル・ブレーキ・ステアリング操作を自動制御して、運転負荷を大幅に軽減する「ツーリングアシスト」を搭載する。「アイサイトVer.4」ではなく、Ver.3のソフトウェアのアップデートで達成した新機能のようで、レベル2の自動運転技術に限りなく近づいたといえる。

 大幅進化した「アイサイト・ツーリングアシスト」は、この夏マイナーチェンジする予定の新型「レヴォーグ」「WRX S4」全車に標準装備する。

 アイサイトのステレオカメラは常に車両の前方を監視し、人の“目”と同じように距離を測ることが可能だ。さらにクルマや歩行者、車線区画線などを識別できるほか、広い視野角と視認距離、カラー画像によるブレーキランプの認識など、高い認識性能を誇る。そして、“目”から得た情報と走行状況をもとに、“頭脳”にあたるソフトウェアが必要な制御を判断し、状況に合わせてクルマの各ユニットを“手足”のように適切に制御する。また、ステレオカメラのポテンシャルをベースにさまざまなセンサーを組み合わせており、あらゆるシーンでより高度な運転支援を実現している。

 新機能「ツーリングアシスト」は、「アイサイト」の「車線中央維持」の作動領域を従来の「60km/h以上」から「0km/h以上」へと拡大し、0?120km/hの領域で「先行車追従操舵」を追加、「全車速域追従機能付クルーズコントロール」と組み合わせ、高速道路でのアクセル、ブレーキ、ステアリング操作を自動制御して、ドライバーをアシストする。SUBARU独自のステレオカメラによる区画線と先行車の2つの認識情報を併用して、運転負荷を大幅に軽減する。

 また、新型「レヴォーグ」「WRX S4」は、国内仕様初となる「後退時自動ブレーキシステム」の採用や、ドライバーの認識範囲を拡げ安心をプラスする「アイサイトセイフティプラス」を設定して総合安全性能に磨きをかけた。

 SUBARUオフィシャルウェブサイトでは、本日より専用サイトで大幅進化したアイサイトのムービーコンテンツを公開している。

 また、スバル研究実験センター美深試験場(北海道中川郡美深町)のテストコースを改修し、今後の運転支援技術の高度化に向けた技術開発に活用すると発表。自動運転の完全実施に向けた開発拠点となる。美深試験場は、冬季雪上試験を目的として1995年に開設。寒冷地走行試験のためのコースに加え、高速走行路やハンドリング路などあり、さまざまな試験を実施しているSUBARUのテスト場だ。(編集担当:吉田恒)

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