米アマゾン、高級スーパー「ホールフーズ」を1.5兆円で買収

2017年6月18日 07:39

 インターネット通販大手の米アマゾンは、アメリカなどで高級スーパーマーケットを展開するホールフーズ・マーケットを、137億ドル(約1兆5,000億円)で買収すると発表した。

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 買収は、ホールフーズの株を、1株あたり42ドルの現金で買い取ることによって行われる。2017年中には買収を終える見通し。

 1兆5,000億円という金額は、アマゾンがこれまでに手掛けてきた買収の中でも、最大規模のものとなる(トムソン・ロイター調べ)とのことである。

 ホールフーズ・マーケットは、1978年に創業された、自然食品や有機食品の品揃えに強みを持つ、中高所得層向けスーパーマーケット。アメリカ、カナダ、英国などで460店舗を展開し、2016年9月期の売上高は157億ドル、純利益は5億ドル。

 アマゾンの創業者であり最高経営責任者(CEO)であるジェフ・ベゾス氏は、ホールフーズの事業を高く評価し、「我々はこれを継続する」とコメントしている。

 さて。アマゾンが実店舗経営へと乗り出すのは、これがまったくの初めてというわけではない。既にシアトルやニューヨークなどに実店舗を持つ書店をオープンしているし、ネット上のみにはとどまらない物販事業にも手を広げている。

 また、人工知能(AI)と最新式課金システムを組み合わせ、客がレジを通らなくても自動的に清算が済ませられるという未来志向のコンビニエンスストアの実証実験もいま行っている最中であるという。

 ホールフーズの側から見るとどうか。アマゾンは、既に巨大なインフラ網を整備している。ホールフーズがそれを利用して生鮮品のネット宅配を始めるのならば、アメリカの他のスーパーマーケットにとっては大きな脅威となっていくかもしれない。

 ネット通販の成長は、近年やや頭打ちの傾向がみられる。実店舗の経営へとシフトすることで、アマゾンはさらなる成長をはかろうとしているようだ。 (記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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