米Yahoo解体―インターネット黎明期を支えた巨人の末路

2017年6月16日 07:49

 アメリカ通信大手、ベライゾン・コミュニケーションズは13日、米Yahooのネット事業など中核事業の買収が完了したと発表した。これにより米YahooのネットサービスなどはOathというグループに統合される。1994年に創業し、インターネットの黎明期を支えた巨大企業の歴史は、こうして終焉を迎える。今後は、「アルタバ」と社名を変え、Yahoo Japanの株式などを管理する投資会社となる。

【1月に社名変更を発表】米Yahoo、「Altaba」に社名変更へ

 なお、日本のYahoo(Yahoo! JAPAN)は、米Yahooが約35%を出資していたとはいうものの(その出資分はアルタバに引き継がれる)、別法人であり経営に直接的な影響はなく、またサービス内容も独自の部分が多く、引き続き独立した形で運営が続けられる。

 Yahooを創業したのは、スタンフォード大学の学生だったジェリー・ヤン氏と、デビッド・ファイロ氏である。創業の翌年、1995年に会社を設立し、また、ソフトバンクから2億円の出資を受けた。さらに1996年、Yahoo! JAPANを設立、ナスダックに上場。創業から3年目にして、時価総額は13兆円を突破した。まさに、インターネット界のアメリカンドリームと言うべき存在だったのである。

 その最も重要な役割は、およそ混沌に包まれていた黎明期のインターネット界に、「情報の整理」と「検索」というものを持ち込み、それをビジネスモデル化したことである。

 しかし、Yahooが唯一無二の存在として君臨していたのは、登場から数年の間までだった。端的に言ってしまえば、Googleが生まれるまで、である。Googleは1998年に創業、その圧倒的な検索性能から瞬く間にインターネットの世界を席巻し、2000年、Yahooのサーチエンジンにも採用された。

 それ以降のYahooの運営は、迷走に迷走を重ねる。中でも致命的だったのは、スマートフォンの時代に乗り遅れたことであったという(Yahoo!JAPANの方は比較的これに成功している)。

 そういったわけで、インターネットの一つの時代が終わりを迎えることになったのである。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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