高血圧患者、30代男女の3割以上が「何もせず」

2017年6月15日 11:56

 高血圧は過労死とも深く関連しており、自覚症状もほとんど出ないことから日ごろからの血圧測定とコントロールが重要となる。オムロンヘルスケアが発表した、30~74歳の男女1万人を対象とした「高血圧に関する意識と行動に関する1万人実態調査」の調査結果によれば、「高血圧リスクにつながる生活習慣」について、男性30~50代、女性30代の約4割が、10個中3個以上当てはまると回答した。一方、潜在的なリスクを抱えている人が一定数いるにも関わらず、高血圧に対する認識が低いことが明らかになった。

 健康診断や人間ドックで「血圧が高め」と指摘された経験がある人は32.1%。全年代を通して女性より男性の方が高い割合となり、特に30代と40代では、男性は女性の約2.5倍となった。また、年代が上がるにつれて割合が高くなり、男性では30代で5人に1人(22.4%)、40代では3人に1人(30.8%)で血圧高めと指摘をされていた。また、指摘された経験を持つ男女のうち、約半数(46.5%)で医療機関を受診せず、15.3%で生活改善について何もしていなかった。特に30代男女では、男性の30.6%、女性の34.1%が何もしていなかった。

 また、血圧に関する知識については、「高血圧は痛みなどの自覚症状がほとんどない」ことを知っている人が39.6%、「高血圧が、脳や血管、心臓関連の病気を引き起こすリスクがある」ことを知っていた人は男性30代では3人に1人(33.3%)、40代でも約4割(39.6%)にとどまった。血圧測定については、毎日1回以上血圧を測定している人は10.1%。「血圧が高め」と指摘された人でも、毎日「1回測っている」は11.9%、「朝晩測っている」は13.6%にとどまった。一方で、血圧が高めと指摘され、毎日、朝晩測定している人の30.5%は「血圧値が改善した」ことを実感していると回答している。

 脳血管・心血管疾患の原因となる動脈瘤や動脈硬化は、長い年月をかけて徐々に進行する。高血圧は強いリスクファクターであることが知られており、特に脳出血・脳梗塞では血圧レベルが高くなるほど、脳出血・脳梗塞発症率はともに有意に上昇する。また、高血圧を有する者は正常血圧者に比べて脳動脈硬化が10~15年早く進行するとの研究結果もある。高血圧は生活習慣や仕事スタイルを変えることで改善する症状でもあり、正しい知識と日ごろからの意識が大切となる。(編集担当:久保田雄城)

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