『機動戦士ガンダムSEED』 ムルタ・アズラエルという男!
2017年6月12日 15:54
記事提供元:アニメコラムサイト|あにぶ
――コーディネイターすべてが、地球に対する脅威なんだぞ! ボクらはそれを討ちに来ているんだ!
『 機動戦士ガンダムSEED 』の登場人物として、強化人間であるブーステッドマンを紹介する記事をあげました。
そこで今回は、ブーステッドマンの三人を使う立場にいたキャラクター、ムルタ・アズラエルについて触れていこうと思います。
『 機動戦士ガンダムSEED 』今なお愛され続けている三人組! ブーステッドマン とは?
2017.06.03
■反コーディネイター思想
彼は、アニメ第一期終盤に登場したブルーコスモスの盟主です。ブルーコスモスとは、遺伝子を操作しているコーディネイターに対する、アンチ思想を持つ者たちのことです。
『 機動戦士ガンダムSEED 』は、コーディネイターと、遺伝子をいじっていない人種・ナチュラルの対立を描いています。故に、コーディネイター憎しを広め争いを広げたブルーコスモスは、作中においてかなり重要な存在です。
そのトップこそが、ムルタ・アズラエルなのです。
ちなみに、彼はファンの間からしばしば「盟主王」と呼ばれます。これは、担当している声優である檜山修之さんが演じる、他作品のネタからきています。
ムルタ・アズラエルは、幼いころにコーディネイターにケンカをふっかけ、数人で挑んだにも関わらず敗北するという過去を持っています。
その出来事が、コーディネイターを否定する思想の根っこになっていると思われます。
■『 機動戦士ガンダムSEED 』中での活躍
彼は、ブルーコスモスの盟主である他に、国防産業連合理事、アズラエル財団経営者といった肩書も持っています。その権力を行使し、終盤の戦いでは地球連合軍を動かす立場として、自ら戦場に踊りだします。
初登場時は、クロト、シャニ、オルガの三人に命令を飛ばし、ブーステッドマンの性能実験を楽しんでいるようでした。
その後、核を手に入れた彼は(SEEDの世界では、終盤までは核エネルギーが封印されていました)、憎きコーディネイターを滅ぼすために、核ミサイルをぶっ放します。
さらには戦艦ドミニオンに乗り込み、指揮までしはじめて……。
■数々の名言を残した
非人道的な兵器である核の使用を拒む部下に対し、
「核は持ってりゃ嬉しいただのコレクションじゃない、強力な兵器なんです。兵器は使わなきゃ……。高い金かけて造ったのは、使うためなんでしょ?」
「勝ち目のない戦いに“死んでこい”って自分の部下を送る人達より、ボクの方がよっぽど優しいと思うケド?」
と、一応は正論っぽいことを口にします。
コーディネイター達の軍・ザフトが巨大なガンマ線レーザー砲“ジェネシス”を使った後は、ドミニオンに救援させようとした艦のメンバーに対し、総攻撃を命じます。
それでも増援が来るからと反発され、アズラエルはこう返します。
「あそこに! あんなモノ残しとくワケにはいかないんだよ! 何が“ナチュラルどもの野蛮な核”だ! あそこからでも、アレはゆうに地球を撃てる――!
ヤツ等の、このとんでもない兵器の方が、遥かに野蛮じゃないか!
そしてもう! いつその照準が地球に向けられるか解らないんだぞ!?
撃たれてからじゃ遅い! 奴等にあんなモノ作る時間与えたのはお前たち軍なんだからな! 無茶でもなんでも絶対に破壊してもらう!
あれと“プラント”を――地球が撃たれる前に!」
撃たなければ撃たれる――というのは、SEEDにおいてさんざん描いてきたこと。
戦闘中、敵が地球すら撃てる兵器を持ち、いつでも撃てるよう準備をしている。そんな中、こちらにはコーディネイターを排除できるかもしれない核ミサイルがある。
だから撃つ。
理にはかなっています。実際、撃たれてからじゃ遅いというのは、理解できます。
事実、こう口にしています。
「自軍の損失は最小限に、そして敵には最大の損害。戦争ってのは、そうやるもんだろ」
最終的には反発する部下を銃で撃ったり、怒鳴ってキレたりと、性格に問題ありまくりなキャラクターでした。が、やっていいかどうかはさておき、間違った理論を振りかざしているわけではないところが面白いです。
結局、核もジェネシスも主人公達が止めてくれるわけですが、もし地球が撃たれてしまっていたら、核を使えと言ったアズラエルが正しかった――と考える人も出てきたことでしょう。
なかなかに考えさせられるキャラクターです。
それはそれとして、迫力のある怒鳴り声を連発するキレキャラでもあるので、難しいことを考えずにセリフを楽しむのもありです。
【機動戦士ガンダムSEED DESTINY 】 ガンダム世界にも出てきた、自分の才能や就くべき仕事を判断してくれる社会、どう思いますか? 【PSYCHO-PASS サイコパス】
(あにぶ編集部/星崎梓)
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