JR東海がハイブリッド方式の特急車両を新製へ、性能は大幅に向上

2017年6月8日 21:23

 JR東海は7日、ハイブリッド方式の次期特急車両を新製すると発表。現行のキハ85系気動車の取り替えを機に、環境負荷とコスト低減、また安全性や快適性の向上を図る。まず試験走行車を新製し、基本性能や耐久性などの試験後、量産車を2022年度に投入する方針だ。

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 走行方式はエンジンによる走行からエンジン発電と蓄電池の電力を併せて用いるモーター走行に変更。主にエンジン発電により走行し、そのアシストに蓄電池を使用することで、ハイブリッド方式としては国内初の最高速度120キロメートル毎時での営業運転を目指す。

 またブレーキ時に蓄電池を充電し、その電力を使用することで燃費が約15%向上。さらにモーター走行による気道車特有のギアチェンジ解消やアイドリングストップの採用などにより静粛性、快適性が高まる見込み。

 加えて、量産車としての投入を見据え、車両デザインを刷新し設備も拡充する。防音床や荷物スペース、全座席コンセント、防犯カメラ、LED照明が設置され、多機能トイレや車椅子への対応といったバリアフリー化も実施。外国人観光客の増加も視野に入れたとみられる。

 ハイブリッドは主に自動車において、EVやFCV以前はエコの象徴となってきた。だが電車におけるハイブリッド車両の取り組みもすでに国内で実施されており、2007年にJR東日本が世界初のハイブリッド車両の営業運転をしている。

 なおJR東海にはその前、2005年に、本格的な導入はなかったものの営業車両に試験導入した経歴がある。2011年には青森県開催の観光による地域活性化キャンペーンの折、ハイブリッド車両を導入した。その他各社もハイブリッド化は随時推進中だ。

 特急「ひだ」「南紀」の現行車両、キハ85系はJR東海が発足後最初に製作された特急用気道車で、1989年に投入。大型窓「ワイドビュー」に映る壮大な景色は多くの乗客を楽しませた。近く30周年を迎えた後、より快適かつ利便性の高い次期車両に切り替わることになる。(記事:小椋恒示・記事一覧を見る

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