大塚製薬、睡眠の質を改善する機能性表示食品の試験販売を開始

2017年5月30日 12:29

 大塚製薬は29日より、特定機能食品の「賢者の快眠 睡眠リズムサポート」の試験販売を始めた。製品に含まれるアスパラガス由来成分が、理想的な就寝と起床のリズムを作る働きをするという。

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 大塚製薬では、1970年代から、人間の健康維持にニュートラシューティカルズ(Nutraceuticals)事業を開始した。ニュートラシューティカルズは、Nutrition(栄養)とPharmaceuticals(医薬品)をかけ合わせた言葉で、1989年に米国のStephen L.DeFelice博士が考案した。人間の健康維持に役立ち、科学的なエビデンスに基いて作られた食品や飲料のことを言う。このニュートラシューティカルズ事業の一つが、「賢者の快眠 睡眠リズムサポート」だ。

 2014年の国民健康・栄養調査と2015年の国民健康・栄養調査では、日本人の5人に1人が、良質な睡眠による休息が取れず、悩んでいることが伺える。十分な睡眠が取れない理由のひとつとして、生体リズムの乱れが考えられる。「賢者の快眠 睡眠リズムサポート」の特長は4つ。

 1.就寝と起床のリズムを整えること。
 2.良質な睡眠を取り、爽やかな目覚めへと導くこと。
 3.休日が明けた時にも穏やかな気持ちでいられるようにサポート。
 4.希望するよりも早い時間に覚醒することを抑制する。

 生活が不規則で生体のリズムが崩れ、良質な睡眠が取れない人の悩みを和らげるサプリメントとしての役割が期待される。当面、大塚製薬の通信販売「オオツカ・プラスワン」と関東エリアの一部店舗で試験的に販売する。

 就寝と起床のリズムの調整を促す作用が期待できるのは、「アスパラガス由来含プロリン-3-アルキルジケトピペラジン」という成分だ。大塚製薬ではこれに注目し、機能性関与成分として製品に配合、2月6日に機能性表示食品として消費者庁に届け出、受理された。

 実は、日本人の睡眠時間は、世界の中でも短いとされている。2010年に行われたNHKの国民生活時間調査では、平均睡眠時間が7時間14分であった。40代、50代は6時間代とさらに短い。これは、フランスや米国と比べても短く、18カ国中、韓国に次ぐ2番目に睡眠時間が短いという結果が出ている。夜型の人も増えており、夜、眠りたいのに眠れない人も増加している。老化によって早朝覚醒してしまう人もいる。睡眠改善薬の売れ行きは好調だ。

 良質な睡眠が十分に取れないと、やがては自律神経の乱れやイライラするなど精神的な変調をきたし、高血圧や肥満など、生活習慣病のリスクも高まる可能性があると指摘されている。手軽に食べられる「賢者の快眠 睡眠リズムサポート」がもたらす効果に期待したい。(記事:服部小夜子・記事一覧を見る

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