大阪を南北に貫くなにわ筋線が2031年春誕生へ

2017年5月27日 21:52

 大阪の北の梅田と南の難波を新たに結ぶ、なにわ筋線が2031年春に誕生することとなった。なにわ筋線の建設を大阪府・市、JR西日本<9021>、南海電鉄<9044>が合意した。

 なにわ筋線はJR難波駅及び南海新今宮駅から、西本町駅(仮称)を通じ、北梅田駅(仮称)までを結ぶ路線。中間駅として中之島駅・西本町駅・南海新難波駅(いずれも仮称)の設置を計画している。尚、JR難波駅、南海新今宮駅より和歌山方面へは既存路線への接続となるが、北梅田駅以北はJR西日本が現在主に貨物路線として利用の路線を経て新大阪駅に接続されることとなる。

 更に別途、阪急電鉄<阪急阪神HD・9042>は北梅田駅から十三駅に至る連絡路線の開設も検討する。阪急電鉄の連絡路線が開設されることになれば、阪急電鉄沿線から、うめきた・中之島・難波方面へのアクセスも向上することになる。

 総事業費は約3,300億円を見込むビッグプロジェクトである。整備主体は第三セクターで、近年新設された京阪中之島線、阪神西大阪線同様の上下分離方式での運用が予定されている。

 現在、梅田から関西国際空港へは約1時間かかっているが、なにわ筋線の開業により約40分に時間が短縮される。南海難波駅始発の関空行きの特急ラピートは新大阪駅への乗り入れを計画しており、時間短縮も相まって、新幹線発着の新大阪駅と関空のアクセスが大幅に改善される。

 また開発中のうめきた及び中之島に対しても、利便性の大幅向上にも繋がる。特に中之島の再開発はこれから始まる段階であり、大阪経済活性化に寄与が期待される。

 なにわ筋線の新設により関空へのアクセスが向上するため、インバウンド消費で活性化している大阪経済にとっては大きなプラス効果が得られる。またうめきた、中之島の開発に拍車がかかる可能性もあるため、大阪経済に対する影響力は非常に大きいと予想される。

 なにわ筋線の開業予定は2031年春と約14年後ではあるものの、大阪の街の風景を一変させる可能性のあるなにわ筋線の開設は、今後大きく注目を浴びると考えられる。(編集担当:久保田雄城)

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