コニカミノルタ、パナソニックメディカルソリューションズを買収

2017年5月23日 07:24

 コニカミノルタ<4902>がパナソニックメディカルソシューションズ(以下、PHCMS)の買収を発表した。コニカミノルタはPHCMSの全株式を親会社のパナソニックヘルスケアから取得の予定である。取得価格は非公表となっている。

 尚、PHCMSの親会社のパナソニックヘルスケアは、2014年3月に投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が買収をしており、元親会社のパナソニック<6752>は現在20%の株式を保有する、という立場に留まっている

 PHCMSはパナソニックヘルスケアの100%子会社であり、CT、MRI、X線画像などの医療用画像データを保管・管理する、病院及びクリニック向けソリューション事業を国内で展開している。コニカミノルタは既に病院・クリニック向け医療用画像情報を中心とするヘルスケア事業を展開しており、2015年には米国の医療画像会社のVztek社を買収する等、ヘルスケア事業に注力している。既に複数の画像診断装置を商品ポートフォリオに有しているコニカミノルタは、今回の買収により中小病院及びクリニック市場における医療用画像のトッププレイヤーに躍り出ることとなる。今後も同社は国内の医療事業拡大を加速させる考えである。

 PHCMSの親会社のパナソニックヘルスケアは、2014年1月に超音波診断装置をコニカミノルタに売却しており、今回の買収以前より両社は良好な関係にあったと考えられる。

 世界的に複合機の普及が進み、複合機メーカー各社は次の事業展開に舵を切っている。キャノン<7751>が東芝メディカルの買収を行ったように、画像処理に強みを有する複合機メーカーは多数の画像を利用する医療部門への進出を行うケースが多いが、コニカミノルタも既に医療用画像部門に進出している。今回の買収によって同社は、中小病院及びクリニック市場に大きな地歩を得ることになり、同市場に対し新しい製品展開も可能になる。

 少子高齢化が進み、医療現場は多忙を極めている現状が存在している。コニカミノルタ始め、複合機メーカーの医療部門進出の成功により、医療現場における診療の質の向上と効率化の進展が進むことを期待したい。(編集担当:久保田雄城)

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