三井智映子と学ぶ「資産運用のABC」~あなたは“お金のデザイン”ができていますか?~押さえておきたい経済指標8

2017年5月17日 08:35


*08:35JST 三井智映子と学ぶ「資産運用のABC」~あなたは“お金のデザイン”ができていますか?~押さえておきたい経済指標8
こんにちは、フィスコマーケットレポーターの三井智映子です。

資産運用の基礎知識を一緒に学んでいきましょうというこの連載、今回は日本の経済指標8つ目であるマネーストック統計をご紹介します。

マネーストックは、通貨供給量とも言われます。日本銀行調査統計局が1955年から作成、公表をしています。当初はマネーサプライと呼ばれていましたが2008年6月に日銀でマネーサプライ統計の見直しが実施されて金融商品の範囲などが変更となり、名称もマネーストック統計となりました。このマネーストック統計は毎月10日前後に日本銀行が発表し、日銀ホームページで確認できます。

マネーストックとは、経済全体に供給されている通貨の総量のことをいいます。法人や個人、地方公共団体が持っている現金、預金、定期預金や定期積金などの準通貨の総量で、国や銀行などの金融機関の所有する資産は含みません。実際に世の中の経済に出回っているお金の量で、これが増えると経済が活性化していると言えると同時に、インフレ傾向になります。

マネーストック統計は、日本では「M1」「M2」「M3」「広義流動性」の4つの指標があります。この各指標は定義の見直しを実施しており、マネーサプライ統計の各指標とは定義が異なるためご注意ください。以下に概要を説明します。

M1とは、現金通貨+預金通貨のことです。対象金融機関は全預金取扱機関で、後述のM2対象金融機関やゆうちょ銀行、信用組合などが含まれます。現金通貨とは銀行券発行高+貨幣流通高、預金通貨とは要求払預金(当座、普通、貯蓄、通知、別段、納税準備)−調査対象金融機関の保有小切手・手形のことを指します。

M2とは、現金通貨+国内銀行等に預けられた預金のことです。対象金融機関は日本銀行、国内銀行(除くゆうちょ銀行)、外国銀行在日支店、信金中央金庫、信用金庫、農林中央金庫、商工組合中央金庫となります。

M3とは、現金通貨+全預金取扱機関に預けられた預金のことです。これはM1+準通貨(定期預金+据置貯金+定期積金+外貨預金)+CD(譲渡性預金)のことをいいます。対象金融機関はM1と同様です。

最後に広義流動性とは、M3+金銭の信託+投資信託+金融債+銀行発行普通社債+金融機関発行手形割引+国債+外債のことを指します。対象機関はM3対象金融機関、国内銀行信託勘定、中央政府、保険会社等、外債発行機関となります。

直近4月13日に日銀のホームページに発表された3月のマネーストック(通貨供給量)速報を見てみると、M2の月中平均残高は前年同月比4.3%増、M3は同3.6%増、広義流動性は同2.6%増の上昇を見せています。また2016年度のM3残高は前年度に比べ3.2%増の1270兆1000億円と、伸び率と残高はマネーストック統計で共に過去最大となっています。このように、マネーストック統計は経済活性の度合いを測る指標として利用できます。

こうして学んだ経済指標を、具体的にどのような投資商品選びや資産運用に活かせばよいのかわからない、という方もいらっしゃると思います。そんな方は、まずはロボアドバイザーの自動投資運用サービス「THEO(テオ)」を活用してみてはいかがでしょうか。THEOは10万円からスタートできて、ネット上で簡単な質問に答えるだけで、資産運用プランを自動的に作り上げてくれるという便利なサービスです。その後の資産管理や運用プランの調整(リバランス)などもすべて自動で管理してくれるので安心です。

実際に自分でポジションを持ってみると、経済指標をチェックしながら投資商品の値動きをながめることで、少しずつ自分の投資スタイルを確立してゆくことができます。まずはポジションを持つという最初のハードルを越えてみてくださいね。

三井智映子と学ぶ「資産運用のABC」は、資産運用の基礎を三井智映子の見解でコメントしています。

フィスコマーケット レポーター三井智映子《DM》

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