乃木坂はモデル業界の勢力図を塗り替えるか?
2017年5月16日 11:49
いやはや、どうにも勢いが止まらない。今回、乃木坂46から、新たに2人の雑誌専属モデルが誕生した。これで、卒業した橋本奈々未さんを除いても、実に7人となる。
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『Ray』『LARME』の白石麻衣、『sweet』の齋藤飛鳥、『CanCam』の松村沙友里、『Zipper』の北野日奈子、『non-no』の西野七瀬、そして今回『美人百花』に衛藤美彩、『ar』に堀未央奈が抜擢された。これはグループアイドルとしては異例の事態ともいえる。
そもそも、女性向けファッション誌というのは、アイドルには敷居の高いものであったというのが、これまでのイメージだった。もちろん、モーニング娘。の久住小春や、AKB48の篠田麻里子、小嶋陽菜のような存在もないわけではないが、それでもやはり基本的にはアイドルは男性向け、モデルは女性向けという棲み分け的なものが存在していたのはイメージとしてあるだろう。
これが崩れてきたのは、ここ5年ぐらいの話で、TGC(東京ガールズコレクション)に代表される、様々なイベントで、アイドルがパフォーマンスを披露し、女優やタレントといったプロのモデルではない女性がランウェイを歩くようになって、これまでは別世界、あるいは女性の聖域であったモデル業界というのが、一気にカジュアル化し、男性にも入りやすい世界になったという背景がある。
そのため、モデル業界からタレント、あるいは女優になる道が拡がった一方、アイドルや女優がファッションモデルになる可能性も高くなってきたのは事実だ。
この波にうまくはまったのが乃木坂46で、ルックスのよさ、清楚感、それでいて親しみやすい雰囲気を兼ね備え、多くの女性ファンを獲得していることを背景に、一気にモデル業界、それも、その頂点ともいうべ雑誌専属モデルの仕事が入ってきたのだろうと推測される。
そもそも、今、現実に専属モデルになっているメンバー以外でも、斉藤優里や生駒里奈はANASUIのモデルであったりするし、早くからモデル志望を口にしていた川後陽菜も「popteen」でモデルをしている。さらには、スタイルの良さでは乃木坂でも屈指の相楽伊織や、新内眞衣、ファッションセンスの良さからメンバー内でおしゃれ番長とも呼ばれている伊藤万理華や川村真洋、単独ライブを成功させたばかりの3期生でも、梅澤美波や佐藤楓というモデル適性の高そうなメンバーが控えているのだから、これからも彼女たちのファッション誌への進出は続くと思われる。
かつて、AKBは、アイドルでありながら、きわどい露出を厭わないという方法で、当時イエローキャブ軍団を中心に男性詩の表紙を独占していたグラビアアイドルという存在を一気に押しつぶしたが、乃木坂もまた、モデルとしての美に、親しみやすさを加えた存在感で、モデル業界を席巻する可能性が高い。
とはいえ、これを対立軸と捉えて足を引っ張り合うのではなく、互いの良さを認め合って、吸収していく方向になれば、さらに業界全体が盛り上がるのだが……。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る)