ネット販売の「健康食品」、半数以上から医薬品成分を検出

2017年5月13日 11:34

 厚生労働省が行なった調査によると、2014年度にインターネットで販売されていたいわゆる「健康食品」72製品のうち、44製品から医薬品の成分が検出された。また、危険ドラッグ84製品のうち42製品から、麻薬または指定薬物が検出された。

 この調査は、厚生労働省がインターネット上で広告および販売されている製品を、実際に購入した上で分析したものだ。対象は痩身効果(ダイエット)と強壮効果をうたったいわゆる「健康食品」、危険ドラッグ、海外製医薬品の3種で、14年12月~15年3月にかけて行なわれた。

 ダイエットや強壮効果をうたったいわゆる「健康食品」については、以前より未承認の医薬品や違法な成分が混入している例が後を絶たず、深刻な健康被害や死亡例まで発生している。そのため厚生労働省は定期的に調査を行なっているが、今回も様々な医薬品や違法な成分が、適切な表示のないまま使用されている実態が明らかとなった。

 なお、詳しい調査結果は下記の通りだ。

 ・いわゆる「健康食品」のうち、強壮効果をうたった72製品中44製品から、「シルデナフィル」等の9種の医薬品成分を検出した

 ・「海外製の医薬品」と称した10製品中4製品から、宣伝と異なる医薬品の成分を検出した(偽造医薬品と判定)

 ・「危険ドラッグ」84製品中7製品から麻薬成分を検出し、36製品から指定薬物を検出した(うち1製品は両方を検出)

 今回はいわゆる「ダイエット食品」からは医薬品成分は検出されなかった。過去の重大な健康被害や死亡例を教訓に、販売店や輸入代理店が慎重に商品を精査していると見られる。

 また、今回摘発された製品の中には、国内で認められている容量の5倍以上の成分を含むものや、発がん性の恐れのある成分を含むものがあった。予期せぬ健康被害が発生する恐れがあるため要注意だ。また、そもそもこれらの成分が含まれていることを表示していない製品が多いため、知らずに摂取してしまう可能性がある。

 危険ドラッグの危険性や違法性は言わずもがなだが、いわゆる「健康食品」に対しても十分な注意が必要だ。「○日で○kg減量!」「衰えた体の機能がみるみる回復!」等の魅惑的なキャッチコピーに惑わされないようにしたい。「海外医薬品」をうたう製品も口コミで広がっており、個人輸入を試みる向きもあるが、違法な成分による思わぬ健康被害が起きる可能性を十分に知っておきたい。(編集担当:久保田雄城)

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