京急グループ、スノーピークと三浦半島に「グランピング施設」オープン

2017年5月10日 16:59

 京浜急行とアウトドア用品メーカーのスノーピークは三浦半島にグランピング施設「snowpeak glamping京急観音崎」をオープンすると発表した。京急沿線である三浦半島エリアに、キャンプ体験とリゾート施設を一体化させた事業を展開する。基本プランは1泊2食付、25,000円から。モバイルハウスは3室、温浴施設SPASSOの利用が可能である。観音崎京急ホテルの運営により6月9日開業予定。

 ヨーロッパで生まれたグランピングとは「グラマラス」と「キャンピング」を掛け合わせた造語。キャンプを楽しみながら、高級ホテルのようなサービスを受けられる新しいキャンプスタイルである。一般的には宿泊施設にベッドやソファなどを常設し、キャンプ道具などを持参せずに豪華な料理を堪能できる。

 施設となるモバイルハウスは世界的建築家隈研吾氏が設計した「住箱」を採用。雄大な東京湾を目の前に屋外デッキで朝食や夕食を楽しめる。地元三浦半島の食材を使用した料理は「三浦かぼちゃ」など新鮮な野菜のほか、「走水の湧水」や「長井産の鶏卵」など贅沢感あるグランピング料理を提供する。食器や備品、スタッフの制服などアウトドア製品はスノーピーク製品で統一、自然志向のライフスタイルを提案する。

 グランピングは世界各地で富裕層を中心に拡大傾向にある。1900年代、裕福な欧米人がアフリカを冒険をする際に、ペルシャ絨毯などを用いた豪勢なキャンプが起源とされている。近年に至ると、音楽フェスやアウトドアイベントにて徐々に贅沢なキャンプスタイルが浸透、ここ数年メディアで一気に拡散されたことで日本での認知度も深まった。未成熟な市場だけにビジネスとしてキャンプ場と高級リゾート施設を結び付ける事業が拡大傾向にある。本来のキャンプ愛好者からは、その極度な簡易性と高級感から賛否両論があるが富裕層を中心に受け入れられている。

 京急グループは都心から1時間ほどの三浦半島エリアを中心にリゾートホテルなどの観光事業を展開してきた。スノーピークは「自らもユーザーである」という原点に基づいてキャンプ製品を中心としたストア展開が順調。近年日本でも盛り上がりを見せるグランピングにて両社の思いは合致、新しいライフスタイルを提供することで三浦半島の観光事業を活性化させる狙いがある。

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