今年のゴールデンウィークは最大9連休 長い休みの使い方は?
2017年4月29日 22:00
いよいよ、今年もゴールデンウィークに突入した。今年のゴールデンウィークは、4月29日土曜日からはじまり、一般的には2連休+5連休。最大で9連休となる人も多いようだ。
調査会社のマクロミルが全国1千万人を対象に行ったインターネットリサーチによると、今年のGWに「外出する」と答えた人は83.0%。その内、39.1%が「日帰りレジャー」「近所のお出かけ」と最も多く、1泊以上の「国内旅行」と答えた人は22.0%、「帰省」が15.6%という結果になった。一方、もしも最大9連休の休暇がとれて、金銭的な余裕もあったと仮定した場合の理想の過ごし方については46.8%の人が1泊以上の国内旅行と答えている。次いで「海外旅行」(31.9%)、日帰りレジャーが(21.5%)と実際の計画とは逆転していることは大変興味深い。時間とお金の余裕さえあれば、やはり大型連休は泊りがけの旅行などに出掛けたいというのが、大方の人の本音ということなのだろう。
最近は、政府が「働き方改革」を推し進めていることもあり、働く環境が見直されはじめ、変化しつつある。日本国政府と経済界の働きかけで今年2月から始まったプレミアムフライデーなどもその一つだ。プレミアムフライデーは、月末の金曜日は午後3時で仕事を切り上げて、夕方からは買い物や飲食、旅行などを楽しんでもらおうとする新たな個人消費喚起キャンペーンとして注目を集めている。しかし、月末は経理などが忙しかったり、時給で働く派遣社員などにとっては死活問題になったりと、問題も多く、浸透するまでにはまだまだ時間がかかりそうだ。仕掛け人の一人である世耕弘成経済産業相も、プレミアムフライデーはその取り組みそのものだけではなく、企業が従業員に対して有給休暇の取得促進やフレックス制度の活動を促すきっかけや意識づくりにつながることを期待していると述べているが、それについても少しずつ効果は表れてくるのではないだろうか。
休暇については、意識の高い企業はすでに始めている。
例えば、島根県出雲市に本社を置く建設業の今岡工業では、2013年から従来の2日間の特別休暇の盆給と前後の土日及び年次有給休暇を組み合わせることで、最長9日間の夏期休暇を取得することを奨励している。同社は創業以来、夏季の熱中症災害は発生していない。今後も熱中症等災害が発生しない目的達成のひとつの方策として取り入れられた方策の一つであるが、疲労回復効果だけでなく、従業員のモチベーションアップや職場の雰囲気向上等の効果も生まれているという。また、同社は導入から2年後の2015年に優良工事等表彰を国・県・市で計4件受賞していることからも、実際に生産性の向上にも繋がっていると考えられるだろう。
また、木造住宅を手掛けるアキュラホームでも、2016年3月から全社員が年末年始休暇や夏季休暇とは別に9日間の連続休暇を取得することを推進する「長期休暇制度」を導入している。導入から1年経ったことで、社内アンケート調査を行ったところ、本制度を利用して、7割を超える社員が連休を取得しており、4日間以上の連休取得者は例年の2.6倍になったことが分かった。ベテランだけでなく、社歴5年までの若手社員も約3割が9連休取得できており、若手の社員にとっても働きやすい環境であり、周囲がサポートし合える職場であることが伺える。また、連休を取得した約8割が「仕事の効率やモチベーションUPにつながった」と回答しており、働き方改革の一環としてスタートした同社の連続休暇取得制度は大変期待が持てる。
日本のビジネスマンは、とかく「休む」ということに罪悪感を覚える人が多いようだ。休んでいる間に周囲に掛ける負担や、休んだ後のしわ寄せなどを考えると、休暇中も気が休まらないという人も多いだろう。しかし、今岡工業やアキュラホームの事例をみても分かる通り、休暇で心身をリフレッシュすることは、業務的にもプラスに働くことが多そうだ。会社側が休みやすい環境を作ることも大事だが、働く側が積極的に休暇をとろうとする前向きな姿勢も「働き方改革」には必要なのではないだろうか。(編集担当:藤原伊織)