電気で走るSUVクーペ「AUDI e-tron SportBag Concept」、上海で初公開
2017年4月20日 11:57
4月18日、アウディは上海モーターショーにおいて、電気自動車のコンセプトカー、AUDI e-tron SportBag Conceptを発表した。このデザインスタディは、流麗なクーペスタイルに320kWの電気駆動システムなど高度なテクノロジーを搭載した4ドアグランツーリスモだ。この正統派GTモデルは、アウディの伝統的な特徴に、電気駆動テクノロジーと専用に開発されたアーキテクチャーによる、数多くの先進的なディテールを組み合わせている。
取締役会会長のルパート・シュタートラー氏によると、AUDI e-tron SportBag Conceptは、eモビリティ実現に向けた重要な節目となるモデルだという。
加えて、「日常ユースに対応したアウディの初めての電気自動車であるAUDI e-tronの生産は、2018年から開始する予定。この分野は、かつてないほど競争が激化しているが、我々は500kmを超える航続距離と電気自動車ならではのドライブ体験を提供する。このスポーティなSUVを、2020年代におけるアウディの主力製品にするつもりだ。これに続き、2019年には、このコンセプトモデルAUDI e-tron SportBag Conceptの市販バージョンを市場に投入する予定。このクルマは、ひと目見ただけで電気自動車と認識できるエモーショナルなクーペだ」と述べた。
駆動システムは、将来アウディが電気自動車の生産モデルに採用を予定している構成を搭載した。つまり、フロントアクスルにひとつ、リヤアクスルにふたつの電気モーターを設置して4輪を駆動させることで、このクーペを典型的なアウディ・クワトロモデルに仕上げた。電気モーターの高出力時のブーストモードでの最高出力は何と370kW、0~100km/h加速をわずか4.5秒で達成する。バッテリーのエネルギ―容量は95kWhで、その航続距離は500kmを超える。
水冷式のリチウムイオンバッテリーは、前後アクスルの中間、パッセンジャーコンパートメントの床下に配置した。この搭載方法を採用することでクルマの重心を下げ、前後アクスルの重量配分もフロント52:リア48と最適化。結果として、同セグメントのライバルよりも遥かに優れた運動性能と走行安全性を実現したとしている。
フロントエンドには、ワイドで水平の開口部が設けられた八角形のシングルフレームグリルが設置する。電気モーター駆動車なので冷却エアを採り入れる大きなエアインレットを設ける必要はないため、ボディ同色にペイントした立体的なフロントに、アグレッシブなシングルフレームグリルが配された。
低い位置まで伸びたボンネット、フロントエプロンとホイールアーチの間に、ライトユニットを設置、独特な顔付きのフロントデザインとなった。
ボディサイドは、上端が水平にカットされたホイールアーチの造形により、幅広いトレッドとダイナミックなポテンシャルを視覚的に表現した。同時に、大径6スポーク23インチホイールにより、大型クーペとしての力強い存在感も演出した。全長4900mm、全幅1980mm、全高1530mm、ホイールベース2930mm。低く構えた大柄なボディサイズはAUDI A7に近い寸法だ。
サイドミラーは廃止され、代わりに小さなカメラがボディの両側に装着された。このテクノロジーには、空気抵抗と風切り音を減らすメリットがある。加えて、従来のミラーにあった死角が事実上消滅し、同様に斜め前方の視界も改善している。カメラからの映像は、ドアに設置された専用のディスプレイに映し出す。
この先駆的なAUDI e-tron SportBag Conceptの生産バージョンは、2019年に登場する予定。(編集担当:吉田恒)