トヨタ、中国で燃料電池車「MIRAI」の実証実験、水素ステーション建設

2017年4月19日 11:39

 トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)は、今年10月に燃料電池車「MIRAI」2台を導入し、中国各地での実証実験を開始する。また、実証実験開始に伴い、中国における研究開発拠点「TMEC(トヨタ自動車研究開発センター中国)」内に水素ステーションを建設する。

 トヨタは、「中国燃料電池自動車商業化発展促進プロジェクト」へ参画し、2017年~2020年の3年間、「MIRAI」の実証実験を行なう。

 具体的には、「中国環境下での車両走行調査」「中国の水素品質調査」「各種品質・耐久性評価」などを実施する予定だ。また、中国国内のイベントに「MIRAI」を展示するなど、商品受容性の調査や訴求活動を実施し、燃料電池車に対する理解活動にも取り組む。

 中国では、現在、北京、上海、広州等の都市圏を中心に、5カ所の水素ステーションがあり、TMECに建設予定の水素ステーションは、江蘇省では初となる。

 中国政府は、FCVの普及促進及び産業化とインフラ整備を積極的に進めており、本プロジェクトを通じ、政府・業界とともに水素社会を模索していく。

 「MIRAI」は、走行時はCO2を排出しないという高い環境性能に加えて、水素充填時間や航続距離などにおいてガソリン車と同等の利便性を持っている。そして、走る楽しさもあわせ持つ「究極のエコカー」として、2016年1月~2017年2月までに、累計約3000台を、水素インフラの整備が進む日本・米国・欧州において販売した。また、オーストラリア、アラブ首長国連邦、カナダなどにおいても、試験的な導入による実証実験を進めている。

 トヨタは、従来からハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車と、それぞれの特徴を活かした全方位エコカー開発を進めている。中国においても2015年10月から、中国産ハイブリッドユニット搭載の「カローラ・ハイブリッド」「レビン・ハイブリッド」の販売しており、今年3月末で累計台数9万台の販売を達成した。両モデルのハイブリッド比率は15%だ。また、「カローラ」「レビン」プラグインハイブリッド車も2018年に導入を予定している。数年以内に電気自動車を中国市場に導入する計画で検討を進めている。(編集担当:吉田恒)

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