つぐもも 一本目「桜の香り」【感想レビュー】

2017年4月19日 07:33

記事提供元:アニメコラムサイト|あにぶ

 4月2日アニマックスやBS11より放送が開始された、月刊アクションで連載されている浜田よしかづ先生による「バトルあり、お色気ありの妖怪退治ファンタジー」漫画の「つぐもも」。現在19巻まで出ている長期連載の漫画がついにアニメ化されました。近年の「日本の神や妖怪」を扱う漫画は「ぬらりひょんの孫」「かんなぎ」などがございますが、この漫画はそこにお色気描写も多いのだそう。

 今回は、そのアニメのレビューを書かせていただきます。

 なお筆者は今回のアニメ化で初めて知ったペーペーですので、率直に見た感想を書かせていただきます。そのため、間違った解釈などがございましたら、ぜひご指摘いただけますと幸いです。

■つぐもも 一本目「桜の香り」のあらすじ


 主人公の加賀見かずやは、ごく普通の中学生。母親の形見である帯をいつも持って過ごしていた。

 そんなある日。かずやは学校の屋上で「あまそぎ」と呼ばれる奇怪な怪物に襲われてしまう。そのピンチを救ったのは、謎の美少女「桐葉」だった。

 騒動が終わるやいなや桐葉はいなくなるが、翌日目覚めるとかずやの布団の中に入っていた。

 桐葉の正体は、かずやの持つ帯の付喪神。しかしなぜ、いきなり形見の帯から付喪神が現生してきたのか…?

■ふと訪れる非日常


 少年かずやは謎の夢を見る。行かないで!少年の声は、目の前の女性には届かない。

 くわっ!と目を覚ました少年と、手の先には慎ましいお胸。学級委員長であり主人公かずやの親友、ちさとのお胸であった。あれ、これToLoveるでしたっけ?

 当然のように持ち出したハリセンで地面に突っ伏すかずやの目の先には、ちさとの清楚と純粋さを物語る純白のおパンツ。おパンツです。やっぱりToLoveるじゃね?

 バンバン叩かれる始末。この光景は、クラスの中ではごく普通の出来事のようだ。なお「我々の世界ではご褒美です」だそうです。確かに。

 ちさとは屋上に逃げる。お昼の時に見た夢を思い出し、ふといつも持ち歩いている、母の形見の帯を見つめる。懐かしい、桜の香りがする。

 時間はすでに夕方になっている。そろそろ帰ろう、とするちさとの元には、それまでにはなかったカツラが落ちている。

 来た時にはなかったような?と疑問に思いながらその場を後にしようとした瞬間..。いきなりカツラが襲いかかってきた! カツラの からみつく!まとわりつくカツラの髪に「やめろ!」と叫ぶと一瞬で姿を消すカツラ。

 「あまそぎじゃ。ほれ、くるぞ!」

 くるぞ!という声が聞こえた瞬間、カツラはかずやにめがけてすてみタックルを放つ。策を飛び越え、屋上から転落してしまうかずやは、死を悟る中、謎の白い布で助けられる。

 吹っ飛ぶほどの打撃を加えられて顎になんのダメージも受けない主人公。

 地面に叩きつけられる…ことはなく、謎の白い帯がクッションになって一命を取り留める。そしてそこには、着物を身につけた薄水色の髪の美少女。

 「久しいな、かずや。」

 「誰?」

 「この…恩知らずが!!」

■『付喪神』と『あまそぎ』


つぐもも 一本目「桜の香り」【感想レビュー】

画像引用元:©浜田よしかづ・双葉社 / つぐもも製作委員会

 頭突き1発でノックアウトされるかずやの元には、先ほどのカツラをかぶった生徒が。ここは危ないと注意するかずやだが、着物の美少女は「そいつが宿主じゃ」とよくわからない一言。かずやはカツラが見えていないのだろうか…?

 直後に、さっきのカツラが再び襲いかかる。間一髪で着物の美少女に助けられるが、彼女を「妖怪」呼ばわりするかずやに激おこ。そりゃまぁ妖怪呼ばわりされりゃ怒るよね…。

 「わしは付喪神じゃ!」
「似たようなもんだろー!」
「なんじゃとこのバカ!」

 絶体絶命の状態でも意外と余裕のあるかずやさん。

 「さぁどうするかずや。下僕になるなら助けてやるぞ?」
「下僕でもなんでもなるから助けてェー!!」

 いややっぱ余裕はなかったようだ。自在に帯を操り打撃を与える美少女にたじろぐカツラの『あまそぎ』と宿主。付喪神を自称する美少女は、『あまそぎ』の連続ドリルライナー(嘘)を、まるで独楽が回っているかのようにひらりと躱す。

 『手に入らないのなら…壊れちゃえ!!』

 今度はミサイルばり。美少女も帯の盾を作ってガードする…が、運悪く1本がかずやの右腕に刺さってしまう。しかしかずやは「かすっただけ」と根性を見せる。今度はポケモンみたいですね…。

 かずやを傷つけたことに激昂する美少女は、宿主の首を帯でつかみ、布でまとめたドリルを使って、必殺技?「らせんつづり」で宿主ごととどめを刺そうとする。ポケモンじゃなくてグレンラガンじゃったか。

 「ダメーー!!」

 ザクッ!と鈍い音ともに、宿主の力が抜けきっていく。

 「ふん、かずやに感謝することじゃな」

 猛々しいドリルは、宿主の上のカツラを一閃に貫いた。カツラは消え、宿主はかずやに膝枕される状態で気を失っている。

 「なんで僕を襲ったりしたんだろう」

 美少女は、お前を自分のものにしたいという思いがカツラに宿り、『あまそぎ』を産んだ。こやつはそれに操られていたと説明する。でもなんでカツラだったのだろうか…?

 「もし囚われていたら、欲望のまま穴という穴を犯されていたかもな」

 『女の子』に好かれるのは悪い気はしないと正直な感想を述べるが、衝撃の事実。

 「そいつ男だぞ。」

 あぁ、穴ってそういう…。

 男なのに女生徒の制服を来ているところにツッコミを入れる間も無く、この状況は一体なんなのかを問うかずやだが、すでに着物で付喪神の美少女は姿を消していたのだった。

■形見の帯


 疑問は晴れぬまま、かずやは家に帰ってくる。

 「お風呂わいたから一緒に入ろー?」

 さらりと危なっかしい発言をする姉の霞に、慣れた反応でやんわりと断って部屋に入る。あまりにも自然と「一緒に入る?」なんて言うので、こっちがびっくりしてしまいます。

 またも夢を見る。昨日学校で見たのと同じ夢であった。慌てて飛び起きるかずやの布団の中..に違和感が。恐る恐る毛布をめくると、昨日現れた美少女が眠っている!

 「おわああああ!」と叫ぶかずやに反応し、姉がバーサーカーのごとく駆けてくる!すかさず美少女を簀巻き!

 そしてジャーマンスープレックスをかけてベッドの裏にシュートォ!!正体不明の人を隠すとはいえわりと鬼畜なことしますねかずや君。

 どこからともなく聞こえる試合終了のゴングとともに部屋に闖入する姉。間一髪でごまかすことには成功したが…。

 「命の恩人になんという仕打ちじゃー!!」

 当然ブチ切れてかずやをぶん回すのであった。改めて説明に入る美少女だが、かずやは既にその正体を「形見の帯の付喪神」と確信していた。

 彼女は「正絹爪掻本綴袋帯(きぎぬつめかぎほんつづれふくろおび)『あやさくら』その付喪神 桐葉」というらしい。誰が言うたか「きものフレンズ」(某動画サイトより)。

 下僕扱いする桐葉に「むしろ持ち主の僕がご主人様なんじゃ」と反駁するかずやだが、あっさりと負け、「甘味♡」を買いに行かされる負けっぷり。さらにはプリンがないことに腹を立てられ、今度は「プリン♡」を11個も買わされるという、1話にして上下関係がはっきりと決まってしまう可哀想な主人公。というか付喪神はプリンの存在や味を知っているのはなぜなんだろうか…。

 大人しくしててくださいと桐葉に注意して、食卓で霞と夕食を取る。姉ちゃんも学生なのに炊事洗濯ができる高スペックガールなようだ。

 かずやは姉弟水入らずの夕食に腰を落ち着かせる…余裕もなく、テレビに向かって17歳教教祖(『井上喜久子』さんで検索!)にツッコミを入れたり、ゲームでガイル(ストリートファイターIIで検索!)相手にボロ負けして悔しがったりとどんちゃん騒ぎをする桐葉の存在を隠すことに精一杯なのであった。いろいろと現世慣れしまくっている付喪神の桐葉さんは、部屋を散らかしたまま、おもむろにどこかへ向かう。

■お風呂の惨劇


つぐもも 一本目「桜の香り」【感想レビュー】

画像引用元:©浜田よしかづ・双葉社 / つぐもも製作委員会

 「やっくんお風呂入っちゃってー」
「わかったー」
「お姉ちゃんもすぐ行くからねー」
「こなくていいー」

 応対が自然すぎるおかげで逆に違和感。そして意外にも律儀に従うブラコン姉ちゃん。

 桐葉を見つけられないままとりあえずお風呂に入るかずや。その風呂場の中には…もはや王道中の王道。桐葉の湯浴み姿。絹のようなつややかな肌色の桐葉がシャワーを浴びている。

 「チガウンデス、ワザトジャナインデス」

 このパターンは確実に絞められる!と冷や汗をかくかずやをよそに

 「なにをしておる。わしの背中を流しに来たんじゃろ?はよせい」

 なんの疑問もなく手招きする桐葉でした。なんか分かっているからこそ、お決まりの制裁オチではない流れも自然に受け止めてしまう。

 「昔はよく一緒に入ったもんじゃ」と懐かしむ桐葉を傍に、背中の流し合いっこ。学校にまで帯を持っていくかずやさんでも流石に風呂場までは持ち出さないのか、昔のことは覚えていないという。でも、背中ににじむ暖かさにどこか懐かしさを感じていた。息子を手で隠しながら。

 「大きくなったのう。昔はこんなもんだったのに」HAHAHA
「いやぁ、そんなわけないでしょー」
「ちんこが。いっちょまえに硬くしよって!」

 まさかのピー音なしである。なおこの後も「なんじゃまだほっかむりか!」と皮を剥かれ(もろちん性的な意味で)、男のプライドをズタズタにされてしまうのでした。

 時刻は23時半を超えている。そろそろ寝る時間。ベッドは一つ。まぁ、当然、2人は同衾するのであった。

 流石にかずやも(股間的な意味かは知らないが)よくないと諭すも、「いつも一緒に寝てたじゃろ(形見の帯と)」に納得してあっさり諭されてしまっている。っていうかその理屈はおかしい。

 いろいろゴタゴタは起きたが、どこかそれが当たり前のように感じるし、また隣の桐葉から懐かしい匂いがする。かずやにしかわからない、特別な感覚。でもやっぱり年頃の女の子との同衾は、かずやにとっては慣れない非日常だったようだ。

 「わずかに『すそ』が濃くなってきました。いかがいたしましょう?」
「まぁ、しばらく様子見といたらええねん」

 謎の巫女装束姿の女と関西弁の女の子が、神社の境内で謎の会話をしている中、第1話は閉じる。

■懐かしさを感じさせる、現代ではむしろ異色のアニメかも?


 初めて見た感想は、ひたすらに「懐かしい」と思わされる展開だと感じました。

 90年代〜2000年代にあったアニメ・漫画にありがちな王道の展開を、これでもか!と詰め込んだシーンとストーリーの展開。でも、そこに一種の懐かしさを感じさせてくれて、これからどんな話になっていくのか?読めそうだけれどもとても気になるアニメだと思います。

 またバトルシーンでの緻密な動きとギャグシーンのメリハリ、所々に挟まれる小ネタやテンポの良さ、そしてなによりヒロイン桐葉の「ちんこ」発言(笑)。バランスのある中身であっという間に感じる20分は、今後も注目しつつ楽しんで見ていきたいです。

 下品とエロスと外道と弱肉強食。とにかくボインが大好きアニメ『 砂ぼうず 』レビュー

(あにぶ編集部/頭皮パッション)

©浜田よしかづ・双葉社 / つぐもも製作委員会

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