トラクターの修理問題がきっかけで修理の自由問題が注目を浴びる

2017年4月15日 11:33

あるAnonymous Coward曰く、 多くのメーカーは「ユーザー契約」に基づいて、消費者が購入した機器を傘下企業以外に修理させることを拒否している。これに対して、米国の「Repair Association(修理協会)」と呼ばれる団体は、筐体内部を開けることすらできない現状はおかしいと批判し続けてきた。今、修理協会の主張はトラクター問題の報道により注目を集めつつあるという(nprSlashdot)。

 今のトラクターでは、利用のためにハードウェアとソフトウェアの2つのキーが必要だそうだ。またトラクターはGPSによって自動運転できるが、制御ソフトウェアが故障した場合は簡単には直せない。メーカーの販売代理店だけが修復のための専用ソフトウェアを持っており、修理を受けるには数百ドルのコストがかかる。このため農家の間で海賊版ソフトウェアが流通してしまっている。修理協会のGay Gordon-Byrne氏は、こうした状況は「極端なことではない」と語った。しかし、(安価で)正しい修理方法の選択肢は必要だと語った。

 農家でオートショップ経営経験のあるGoodman氏は、農業経済が好調だった時期はセールスドライバーと富を分け合うこともできた。しかし、今はそうではないと語った。元記事では機器販売業者がトラクター販売数の落ち込みを相殺するため、高価な修理費用を請求するようになったという指摘もある。現在、ネブラスカ州、イリノイ州、ニューヨーク州などの米国8州では製造業者に修理ソフトウェアの販売を要求する法案を審議している。通過すれば、トラクターだけでなく、電話、コンピューター、家電製品にも適用されることになる。

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