不在再配達削減に向けた様々な試み 楽天など

2017年4月15日 12:08

 主にインターネット通販の拡大を背景に、不在再配達、というものが労働・社会問題となって久しく、官民あげて対策に取り組む動きが生じている。そうしたなか、楽天は、「配達場所を指定し、1回で荷物を受け取った場合、同社のポイントサービス(楽天スーパーポイント)において3倍のポイントが付与される」というキャンペーンを、14日から17日9時59分まで展開する。

 キャンペーンの詳細を見てみよう。まず、ユーザーは、「楽天市場」の中に設けられたキャンペーンにエントリーしなければならない。その上で期間中に、対象のショップから注文した品を自宅への1回目の配達で受け取る、もしくは、楽天BOXやはこぽすなどのロッカー、宅配ボックス、コンビニエンスストアなど(事前に指定しさえすればどれでも構わない)で受け取ると、通常の3倍の楽天スーパーポイントがもらえるという仕組みである。

 今回のキャンペーンが、EC(電子商取引)市場における不在再配達という社会問題に対する対策を考えるものであるということ、そして、(実施日数的なことを考えれば明らかではあるが)あくまでも試験的な試みの一環であるということを、楽天は明らかにしている。

 さて。先に官民あげて対策に取り組む動きがある、と書いたが、国土交通省なども実験を行っている。都心部では鉄道駅などを利用した宅配ロッカーの設置が進められているが、宅配便の2割が再配達となる我が国において、これは都市部だけ対策して解決するような問題ではない。

 そこで行われているのが、地方における地域拠点である「道の駅」を利用した、地方部での再配達削減のための社会実験である。実験期間、2016年10月24日より2018年3月末(予定)。うまくいくのかどうかは分からないが、とにかく、様々な試みを行っていくことは大切なことであろう。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

関連記事

最新記事