乃木坂46・伊藤純奈の演技力に賞賛の嵐
2017年4月9日 22:13
乃木坂46は、「コンセプトがないのがコンセプト」という、秋元康氏の発言もあり、AKBの公式ライバルとか、秋元Gの一つとか、様々な捉え方をすることができるグループだが、一つだけ明確な指針がある。それは、演劇の要素をしっかりと取り入れ、メンバーに女優としての才能を求めるというものである。
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そのために「プリンシパル」という企画があり、前半にメンバー全員が自己アピールをして、後半は会場の観客の投票でキャスティングされたメンバーだけが芝居をするというもの。結成以来、もっとも残酷でハードと呼ばれたこの企画は、3年で終わったかに見えたが、先日は、新しく加入した3期生だけでプリンシパル公演が行われた。
そのためか、乃木坂のメンバーは、芝居への進出が多い。
プリンシパルが休止したときも、メンバー出演による『じょしらく』や『すべての犬は天国に行く』など、内容の濃い芝居をしている。生田絵梨花は、『ロミオとジュリエット』『レ・ミゼラブル』といった大舞台に出演し、桜井玲香や若月佑美は『嫌われ松子の一生』など、さらに、井上小百合、能條愛未、樋口日奈なども、ソロで芝居に出演するなど、活躍の場を広げている。
そんな中、一躍話題を独占しているのが、2期生の伊藤純奈だ。
伊藤は、現在上演中の『犬夜叉』という舞台に出演している。この作品は、高橋留美子氏の人気漫画を原作として、主演にはゴールデンボンバーの喜矢武豊、乃木坂46の若月佑美らが出演しているもので、アイドルファン以外の人たちの注目度も高い作品だった。
共演している若月佑美は、これまで舞台の経験を十分に積み上げ、実績と安定感はお墨付きであったが、伊藤純奈は今回が2回目の舞台。また、選抜常連の若月に比べ、2期生の中でも学業との兼ね合いで乃木坂でのイベントの参加が少なかったりして、知名度も、握手人気も高くない存在だった。
しかしながら、堀未央奈、北野日奈子といった2期生の人気メンバーと比較しても、そのダンスと歌唱力はずばぬけているといわれ、初舞台であった『墓場女子高生』でも、難しい役をしっかりと演じており、その潜在能力は高く評価されているメンバーでもあった。
果たして今回、経験豊富な若月やその他の共演者と伍しても違和感なく、それどころか、乃木坂やアイドルに興味がない層から、「あの乃木坂の子は凄かった」と言わしめたのは、快挙といっていいだろう。
これまでは、アイドルの芝居・演劇というと、どうしてもテレビ出演の穴を埋めるためとか、ネガティブなイメージが強かったし、漫画やアニメ関連のオファーがくると、原作ファンや声優ファンからのバッシングが激しかったのだが、最近は、本気で舞台や声優といった仕事に真摯に取り組む姿勢は徐々に評価されてきて、そちらのバッシングは減る傾向にある。
乃木坂のコンセプトを体現するかのように評価が高まった伊藤純奈の存在から目が離せなくなりそうだ。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る)