【小倉正男の経済コラム】北朝鮮問題・米中首脳会談で緊迫度マックス!
2017年4月6日 16:46
■トランプ大統領の「我々がやる」という発言
米中首脳会談が迫っている――。トランプ大統領は、今回は関税や為替操作については協議しない、と語っている。関税、為替操作、貿易不均衡は次回以降に後回しを公言している。
トランプ大統領は、中国に25~45%の輸入関税をかけると息巻いていたのだが、今回はそれが吹き飛んでいる。 協議されるのは北朝鮮にほかならない。今回は安全保障、北朝鮮が100%の協議対象である。
「もし中国が北朝鮮問題を解決しないなら、我々がやる。言えるのはそれだけだ」 トランプ大統領は、中国の習近平国家主席に何らかの協力を求めていないではない。だが、協力がなければないでアメリカはやる、と宣言している。
問答は終わった。一触即発――、いつやるのか、どうやるのか、そこに絞られている。 ティラーソン国務長官も、「(北朝鮮のミサイル発射に対して)これ以上コメントすることはない」、と。
アメリカは、北朝鮮については十分に話してきている。もう話している段階は終わっている、としている。 一方、北朝鮮にも、アメリカに先制攻撃を行うのではないか、という見方が出ている。
■生活者個人もクライシスマネジメント対応が必要か
これだけの緊張状態はほとんど経験のないことである。 子供の頃、朝鮮戦争が終わった頃なのか、空をアメリカ軍の巨大な飛行機が編隊で飛んでいたのを見たことがある。 それを思い出したが、こうした緊張は気持ちのよいものではない。
緊張を煽るつもりはない――。だが、日本にミサイルが飛んでくるという事態になれば、自衛隊も後方支援だけというわけにもいかないだろう。危機の当事者であり、観客やお客さんではないのだから呑気なことは言っていられなくなる。
TVワイドショーなどで、そもそも論なのか、トランプが悪いとか、安倍さんの発言がどうなのか、という発言があった。主婦めいた立場なのか、シロウト丸出しの発言もあった。
しかし、今回はそうした話は聞いていて時間のムダではないか、と。 いつ何が起こるのか、どうしたらよいのか。危機に直面しているのだから、そもそも論など中身のない「ヒマ話」をしているのはいかがなものか。それこそ次回以降にしてほしい。
水とか、食料品とか、少し買っておかなければならないのか。生活者個人もクライシスマネジメントを考えなければならない時かもしれない。
(小倉正男=『M&A資本主義』『トヨタとイトーヨーカ堂』(東洋経済新報社刊)、『日本の時短革命』『倒れない経営―クライシスマネジメントとは何か』『第四次産業の衝撃』(PHP研究所刊)など著書多数。東洋経済新報社編集局で企業情報部長、金融証券部長、名古屋支社長・中部経済倶楽部専務理事、日本IR協議会IR優良企業賞選考委員などを歴任して現職)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)