ヒアルロン酸、紫外線の炎症にも効果があることが発見

2017年4月2日 21:40

 保湿効果が高いと言われているヒアルロン酸。もともと人体の中にも含まれている成分で、1グラムあたり6リットルもの水を保持する力があるという。

加齢や外的刺激などで体内のヒアルロン酸の量が減ると、乾燥肌などのトラブルになるため、多くの化粧品や洗顔料などに保湿成分として配合されている。このヒアルロン酸には保湿以外にも、紫外線による炎症や色素沈着を抑える効果があることが発見された。

 ロート製薬<4527>内の、肌再生や機能性素材の探求をテーマとした研究拠点「ロートリサーチビレッジ京都」は、ヒアルロン酸の更なる有用性・機能性を追求するために、紫外線による肌ダメージに着目して今回の研究を行なった。実験によって、ヒアルロン酸が紫外線によって発生する炎症因子「プロスタグランジンE2」と「インターロイキン1a」の生成を抑える作用があることがわかった。

 紫外線を照射した表皮角化細胞の「プロスタグランジンE2」と「インターロイキン1a」の量を測定。「プロスタグランジンE2」の生成量はヒアルロン酸を添加した場合、添加していないときと比較すると1/2以上生成量が抑制。「インターロイキン1a」は1/3程度生成を抑制しているという実験結果が出た。

 これらの物質は肌の炎症を引き起こすだけでなく、メラノサイトに働きかけて日焼けの原因となるメラニン色素の生成を活性化させる作用もあると考えられており、日焼けを防止する効果も期待できるという。同社は今後、今回の研究結果を製品開発に応用していくという。

 これまでも保湿成分としてスキンケアで注目されてきたヒアルロン酸。日焼け後の辛いピリピリとした痛みや、シミなどの肌トラブルを防ぐ成分としても期待できるという今回の研究結果。多くの肌の悩みを解消する有効成分として、今後ますますヒアルロン酸が注目されそうだ。(編集担当:久保田雄城)

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