前科があってもOK 非行・犯罪歴のある人を積極採用
2017年3月26日 18:18
犯罪歴や非行歴がある人、いわゆる「前科者」はどうしても就職しづらい傾向がある。更生していても「罪を犯した」「また犯罪するんじゃないか」というレッテルを貼られ、企業はあまり採用したがらない。
一方で、刑務所を出所しても仕事がなかなか見つからず、結局再び犯罪に手を染めて刑務所に戻ってしまうケースも多い。法務省の調査によると、2015年度の刑法犯全検挙者のうち、再犯者を占める割合、いわゆる再犯率は48%だった。
そのような状況の中、非行・犯罪歴がある人を積極的に採用しようという動きも広がりつつある。人材採用支援を行うヒューマン・コメディは14日、非行・犯罪歴のある人を従業員として雇用したい企業を募集すると発表。これまで避けられてきた非行・犯罪歴のある人を、同社では人材として着目し、育成する事業を行なってきた。
同社は多くの非行・犯罪歴のある人と接してきた中で、一般の人に比べて次のような強みがあるという。思ったことをすぐに行動に移せる行動力と根性があり、「絶対にやり通す」という覚悟、そして共感力と観察力があり、面倒見が良い人が多いということだ。協賛企業からも「一般の人よりも根性がある」と評価されているそうだ。
確かに刑務所での避けられない集団生活や刑務作業を通じて、仕事をやり抜く力や協調性が鍛えられるのかもしれない。
また、元暴力団員や不良といった「キャリア」を活かせるステージもある。芸能事務所である高倉組は元暴力団員の役者が所属。ホンモノの世界にいたからこそできる、リアルな演技でドラマの悪役として活躍している。同事務所の応募資格には「暴力団、暴力団関係者、暴力団関係企業、 総会屋又はこれらに準ずる団体(反社会的勢力)並びに 反社会的勢力関係者でない方。または離脱意志のある方。」という文言があり、元暴力団あるいは暴食団を脱退しようとしている人にも門戸を開いている。
確かに犯罪歴がある人と一緒に仕事をするのは抵抗があるのも理解できるが、普通の人よりも長けている部分、知っていることもある。新たな人材を発掘できる可能性があるし、就職して安定した生活ができれば再犯率の低下にもつながる。罪を償った人たちが活躍する社会になることを期待する。(編集担当:久保田雄城)