歌が流れたとき、2人は殺し合う…本格志向のガンダム『サンダーボルト』の魅力
2017年3月26日 21:47
■『スペリオール』にて連載中の『機動戦士ガンダム サンダーボルト』
現在『ビッグコミック スペリオール』にて連載中の『機動戦士ガンダム サンダーボルト』は、好評を受けてOVA作品としてアニメ配信が2015年からスタート。元祖『機動戦士ガンダム』と同じく宇宙世紀が舞台になっており、ガンダムやザク、ドムなど往年のファンにはたまらないモビルスーツがひしめく。
■ガンダムとザクが再び宇宙で交錯する
時代は『機動戦士ガンダム』の一年戦争末期。ジオン軍は拠点をア・バオア・クーを残すだけとなり、地球連邦軍は彼らに降伏を促す準備をしていた。その作戦の1つとして、連邦軍はジオン軍の補給経路の要となっている「サンダーボルト宙域」を奪取しようと考えていた。しかし、その宙域に何度モビルスーツを派遣しても、ビーム兵器によって返り討ちにあっていたのだ。
サンダーボルト宙域を守っていたのは、ダリルが所属するリビング・デッド師団であった。彼は義手と義足であったが、スナイパーライフルの名手として知られており、サンダーボルト宙域を守っていた。
そのサンダーボルト宙域の奪取に乗り出したのが、連邦軍と共に行動をする「ムーア同胞団」であった。同胞団に所属するイオは、サンダーボルト宙域奪取の任務に当たることにあり、そこでダリルと出会ってしまう。
2人はライバルとして幾度となく闘うことになる。その戦闘シーンに出てくるのはザクやドムなど、一年戦争時のガンダムが好きな人ならば思わず反応してしまう機体たちだ。特に、ダリルが乗る旧ザクとイオが乗るフルアーマーガンダムの戦闘は必見。
また、本作に出てくるフルアーマーガンダムや旧ザクは、漫画独自の設定でリファインされている。
■ジャズとポップソングの使い方が巧妙
ダリルは戦闘中にも関わらず、ラジオを通じて恋愛系のポップソングを聴いているシーンが度々出てくる。また、イオも戦闘中にジャズを聴くシーンが流れる。
ダリルは本来優しい青年で、曲が流れると共に彼の過去が流れることがある。イオの場合は戦争に加担する理由や自分の生い立ちを振り返るシーン、さらには戦闘にのめり込むためのイニシエーション的な要素として使われる。
戦闘中にジャズやポップソングが流れることで、今までのガンダムシリーズとは違ったスタイリッシュなシーンを楽しむことができる。また、曲を通して2人のキャラクター性も透けて見えてくる演出も秀一だ。
■3月から第2シーズンの配信スタート、さらに今なら第1シーズン無料
アニメ『機動戦士ガンダム サンダーボルト』は、第1シーズンが4話完結でネット配信されており、DVDで楽しむことも可能。第5話からの第2シーズンは3月24日から配信がスタートした。今なら、3月31日まで第1シーズンの1~4話をネット上で無料視聴できるキャンペーンも行われている。
配信しているサービスは、Amazonビデオ、TSUTAYA TV、ひかりTV、PlayStation Video、bonobo、楽天ショウタイムとなっている。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る)