米ボストンの公立学校、ピーターズ図法による世界地図を導入へ
2017年3月25日 10:59
あるAnonymous Coward曰く、 米ボストンの公立学校が今週から、教育で利用する世界地図を従来のメルカトル図法からピーターズ図法に切り換えたそうだ。米国の公立学校でピーターズ図法の地図使うのは同校が初だという(guardian、Slashdot)。
メルカトル図法では、高緯度に位置する北の国々の面積が大きく見えるという問題がある。ピーターズ図法はこの問題を修正し、陸地の面積比が正しくなるように描かれている。たとえばメルカトル図法では、南アメリカはヨーロッパと同じサイズに見える。しかし、実際は南アメリカの面積はヨーロッパの2倍ほどだ。また、グリーンランドとアフリカは同じサイズに見えるが、実際はアフリカはグリーンランドの14倍も大きい。こうしたメルカトル図法の問題によって、ヨーロッパの帝国主義が何世紀にもわたって育てられたと批判する向きもある。
実際にはそれぞれの図法にメリット・デメリットがあり、米国内でも激しい議論が長年にわたって続けられてきた。ボストンには125の学校と約5万7000人の学生がおり、そのうちの86%が非白人ということで、今回の地図の変更はパラダイムシフトになるという。ボストン公立学校のColin Rose教授は、学生は学校で与えられた教材を信頼するだけでなく、それにも疑問を持つことが重要だと話している