電子書籍の新たなプラットフォーム 講談社「じぶん書店」の試み

2017年3月24日 09:08

 「好きな本を人に薦めたい」そう思ったことのある人は多いだろう。講談社は4月から、自分で選んだ電子書籍をアフィリエイト機能付で紹介できるサービス「じぶん書店」をスタートする。売上げの10%がユーザーに入る。

 すっかり普及した電子書籍。モバイルでどこにでも持ち運んで読むことができ、保管場所もとらないため、多くのユーザーが紙の本から移行している。また、流通コストや増刷コストなどもかからないため、紙媒体よりも価格が安めなのも魅力だ。

 そんな電子書籍のメリットと連動できる新たなサービスが、講談社によって4月から開始される。スマートフォンだけで自分名義の電子書店を開設でき、同社が発行している約32,000点の電子書籍の中から、好きな本を選んで紹介および販売できるのだ。この機能の主な利用場所はSNS上となる。

 「じぶん書店」の開設、および他人の「じぶん書店」からの購入には会員登録が必要だが、閲覧や試し読みは会員登録やアプリのダウンロードなしで行なうことができる。さらに、紹介した電子書籍が売れた場合は、その売上げの10%が専用のアフィリエイトコインとしてユーザーに付与される。これは電子書籍の購入や「じぶん書店」の機能の拡張などに使えるほか、他のポイントやマイルと交換することもできる。

 昨今の書籍の売上げにおいて、SNS上の口コミの影響は非常に大きくなっている。Twitterなどで話題となった書籍がベストセラーになったり、SNSに投稿した個人のマンガがブレイクして書籍化されたりと、様々なムーブメントが巻き起こっている。

 講談社は、このようなSNS上での販売促進効果にいち早く着目して、自社の書籍のPRにつなげようとしている。「気に入った本をもっと多くの人に薦めたい」「隠れた名作をいろんな人に読んでもらいたい」など、コアなファンは熱意を持って情報発信する傾向がある。そんな口コミから購入への導線を手軽に引けるツールとして、今後の効果が期待されている。(編集担当:久保田雄城)

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