馬渕磨理子が実践!トレードステーション利用術(8)ランキングとスキャナーで自由自在に情報を手に入れよう
2017年3月22日 12:43
*12:43JST 馬渕磨理子が実践!トレードステーション利用術(8)ランキングとスキャナーで自由自在に情報を手に入れよう
皆さま、こんにちは。フィスコリサーチレポーターの馬渕磨理子です。
『馬渕磨理子が実践!トレードステーション利用術』と題して、私が普段のトレードで使っている分析ツール「トレードステーション」について、その活用方法を、様々な投資情報も交えながらお話しする連載の第8回目です。
今回は、自由自在に情報を手に入れるために、ランキング機能・スキャナー機能の活用についてお話しします。
●ランキング表も自分好みの角度で分析
投資家の多くは、値上がりランキングを毎日チェックして、今どの銘柄に資金が流入しているのか判断します。どの銘柄が動いているのかをリアルタイムで追うためには、ランキング機能が役立つでしょう。値上がりランキングは前日比で比べるのが一般的です。しかし、トレードステーションのランキング機能である「ホットリスト」は自分の分析しやすいようにアレンジができます。毎日、追いかけるホットリストをアレンジして有効な視点で分析することができます。
●リアルタイム性を重視したホットリスト
アクティブなトレーダーは取引時間中、様々な情報のチェックに追われることが多いです。そのため、厳選された情報を手に入れることが非常に重要になってきます。リアルタイム性を重視する場合、ホットリストに前日比の値上がり率を選択して、売買代金を上位2000銘柄に設定します。売買代金を限定することで、極端に出来高の少ない銘柄や、低位の株が少し動いただけでランキングに入ってくることを排除します。一日のリアルタイムの流れを重視するので、私は売買代金の上位2000銘柄を設定していますが、売買代金5億円以上、50億円以上などの項目もあります。そもそも売買代金の少ない銘柄は取引しないという方は、その設定を活用してみて下さい。私は、このように無駄なノイズを排除する機能が備わっているホットリストの存在を知った時、すぐに自分でも設定して活用したくなり、いろいろ試して自分の使いやすい仕様を見つけました。また、ホットリストに表示された銘柄は簡単にレーダースクリーンにコピーすることができます。それをシンボルリストに保存して、いつでも銘柄リストに追加することも可能です。
●ホットリスト(中長期的な資金流入の先を読む)
次に、一日のリアルタイム性よりも、中長期的にランキングを見たいケースが皆さまもあるかと思います。例えば直近の30日間でどのようなところに資金が流入しているのかを分析することもトレードステーションのホットリストではできます。また、東証1部、東証2部、ジャスダック、マザーズなどの取引市場ごとにも、ランキングを出すことができます。ここ数カ月、日経平均株価は伸び悩んでいますがジャスダック指数、マザーズ指数は堅調な値動きが続いています(2017年2月末時点)。そこで、新興市場でどのような銘柄がランクインしているかをチェックする時に、ホットリストで、「直近30日間の値上がり率、売買代金の上位2000銘柄」を設定したランキングを見てみます。
その中で、私が気になった傾向が2つあります。まず、野村マイクロ・サイエンス<6254>の上昇率の高さです。、半導体製造の分野やIoT分野が注目されていることが分かります。次に、直近IPO銘柄であるWASHハウス<6537>、アカツキ<3932>、カナミックネットワーク<3939>などが数多くランクインしていたことです。このことからIPO銘柄は引き続き関心を集めやすく、銘柄の見直しをしておくべきだと考えます。野村マイクロ・サイエンスについてですが、同社は水処理装置事業を行っており、半導体や液晶関連向けの超純水製造装置及び排水処理装置の設計などを得意としている企業です。半導体市場は世界的にも拡大しており、2030年には世界的な半導体製造装置の売上は810億ドルになると予測されています。2015年の売上400億ドルに対して2倍以上となっています。IoT時代の到来により、半導体の需要はますます高まりそうで、中長期的に資金流入が見込める分野ではないでしょうか。
●スキャナー(ファンダメンタルズの側面も利用したランキング表)
スキャナー機能を活用すると、テクニカルとファンダメンタルズ両方を駆使してスクリーニングすることができます。さらにより長期的な視点でランキングを分析することができます。自分の基準を用いたスクリーニングで銘柄を探せる点はトレーダーとしても嬉しい機能です。「スキャナー」では、登録されている価格、出来高、配当、利益といった条件の他に、チャート分析で利用可能なテクニカル指標を自由に組み合わせることができます。本連載では、グロース銘柄を基本的なスクリーニング機能で探してみます。「売上高の増加が10%以上で、営業利益の増加が15%以上」の銘柄を、出来高順に並び変えてみます。これをトレードステーションのチャート機能とリンクさせ、週足のチャートを分析することで、底入れ感のある銘柄などを探し出せますので非常に面白味を感じています。
○売上高・営業利益の高成長の銘柄ランキング(2/26時点)
ジャパンディスプレイ<6740>、アステラス製薬<4503>、アルデプロ<8925>、モバイルファクトリー<3912>、いちご<2337>、トレイダーズホールディングス<8704>、レノバ<9519>、イオン<8267>、NEWART <7638>、LINE <3938>、テンプホールディングス<2181>、五洋建設<1893>、ディー・ディー・エス<3782>、スタートトゥデイ<3092>、オンキヨー<6628>
その他、スキャナー機能には日本株版提供元のマネックス証券により、様々なスクリーニング条件が内蔵されていますので、それを活用すると非常に便利です。例えば、PER(会社予想)が10倍以下で、配当利回り(会社予想)3%以上などが事前に設定されていますので、ぜひ活用してみて下さい。
次回は、ミニチャートの一覧表示ができる圧巻のマルチチャートについてお話します。
※「馬渕磨理子が実践!トレードステーション利用術」は、米国TradeStationGroupが開発したトレーディングツール「トレードステーション」の日本語版(マネックス証券が提供)を馬渕磨理子の見解で注目し、コメントしたものです。開発会社や日本語版提供会社との見解とは異なる場合があります。
(フィスコリサーチレポーター 馬渕磨理子)《FA》