ローレンス・リバモア国立研究所、米国の大気圏内核実験映像を公開
2017年3月19日 20:45
KAMUI 曰く、 米国が1945~1962年まで行なった大気圏内核実験の映像の一部を、ローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)がYouTubeで公開した(LLNLのニュース記事、CNN.co.jpの記事、YouTubeプレイリスト)。 LLNLは核兵器の研究開発を目的に設立された機関で、現在ではエネルギー関連の研究などを行なっており、保有する世界最大のレーザー核融合施設である国立点火施設(NIF)では2013年に核融合のマイルストーンを達成するなどしている。LLNLは過去の核実験映像の管理も行なってきたが、その一部が機密指定を解除されたのに伴い、今回63本の実験映像を公開したもの。
フィルムは数十年にわたり放置されており、分解も進んでいたため、記録内容を失わないためには保存作業が必要だった。全部で10,000本程度あるとされるフィルムは機密保管庫に保存されていたが、保管庫内のどこにあるのかは不明だったという。そのため、作業にあたったGreg Spriggs氏らのチームは過去5年にわたり、フィルムを探し出してスキャン・再分析し、機密指定を解除する処理を進めてきた。 チームはフィルムの所在場所を確認するだけでも数年を要しており、当初はフィルムの光学解像度を再現可能なスキャナーも持っていなかった。そのため、ハリウッドスタイルのスキャナーを改造して科学的に必要な精度を得られるようにするのに1年ほどを要したそうだ。また、データが不正確なことが後で判明し、分析のやり直しが必要になることもあったという。 現在までに所在の確認されたフィルムは約6,500本であり、約4,200本がスキャン済み。再分析が済んだのは400~500本、約750本の機密指定が解除されたとのことだ。