国立情報学研究所、デジカメによる指紋盗撮防止手法を改良

2017年3月18日 07:46

 国立情報学研究所は17日、コンテンツ科学研究系の越前功教授の研究チームが世界で初めて開発した指紋盗撮防止手法「BiometricJammer」の改良バージョンを、3月20~24日にドイツ・ハノーバーで開催される国際情報通信見本市「CeBIT 2017」で公開することを発表した。

 指紋情報はこれまで接触式の指紋センサーでしか読み取れなかったが、デジタルカメラの高画素化により撮影画像からも復元できるようになり、不正ログインやなりすましなど悪用される危険性が指摘されている。

 越前教授の研究チームは2016年10月にデジタル一眼レフカメラで3mの距離から撮影した指の画像から指紋認証に必要な指紋情報の抽出が可能であることを示し、このような抽出を防止するための指紋盗撮防止手法「BiometricJammer」を提案した。

 具体的には、指紋の検出を妨害する模様(ジャミングパターン)をステンシルシートを使って指先に転写する。ジャミングパターンを装着した指先の画像からは指紋情報を抽出できないので盗撮を防止できる。一方、ジャミングパターンを装着したままでも接触式の指紋センサーでは正常に指紋を認識する。

 今回、「CeBIT2017」には、ジャミングパターンと装着方法を改良した最新手法を公開する。これまでの幾何学的なパターンの代わりに疑似指紋パターンをジャミングパターンに用いることで装着した時の視覚的な違和感を低減できる。(記事:阪木朱玲・記事一覧を見る

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