「 映画 ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 」他人を思いやれる子どもに育てたい人へ
2017年3月17日 08:42
記事提供元:アニメコラムサイト|あにぶ
今年も公開されました、「 ドラえもん 」映画!10万年前の南極にドラえもんが置き去りに!?とハラハラさせられる予告編で、気になっている人も多いのではないでしょうか!
先日テレビ放送された「 新・のび太の日本誕生 」ではタイムパトロール隊の扱いや大人の描写に一部で「えー」という声も聞かれましたが、いかがでしたか?
キャスト変更後のドラえもん映画では特にキャラクターの心情や優しさを重点的に描写してくれるので、日本誕生ではペットたちに対するのび太の優しさ、南極カチコチを見に行った人には友情に篤いのび太の性格を堪能できたのではないかと思います。
いじめによる事件が多く報道される昨今、学校での勉強態度やすぐに人に頼ろうとするところは別として、のび太の優しさや人への思いやり、相手を分かろうとする姿勢は自分の子どもにも持ってもらいたい、という親御さんも多いのではないでしょうか。
そこで今回は「人への思いやり」をテーマにした映画、「ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ 天使たち~」をご紹介したいと思います!!
■人を思いやれないまま向上心だけ持っていても……
この作品に登場するのはロボットたち。遙か昔、争いばかりを繰り返す人間を見限った神様が「天国のような国を作りなさい」と命じて作り出した惑星、メカトピアのロボットたちです。
他者よりもよりよい物を目指す「向上心」を与えられたロボットたちは、他者を見下すような激しい格差社会を作り、貴族階級と奴隷階級に分かれて暮らしていました。
しかしロボットはみな平等という意識が育ち、新たな奴隷として争いを繰り返さずにはいられない、下等な生き物の人間を多く捕らえる計画が立ち上がったのです。
……この時点で、ロボットが平等であるために労働のすべてを他者に任せよう、という考えがおかしいとは考えられていません。ロボット同士は仲間ではなく、壊れたり故障したロボットはただゴミとして処分されるだけなんですね。
誰かが自分の代わりにこの仕事をしてくれている、ありがたい、という気持ちが育っていないわけです。
この作品を視聴した筆者周囲の子どもたち(4歳~10歳)は、「ロボットたち怖い」という気持ちとともに「なんでこんなひどいコトするのかな」と、視聴途中から親に話しながらいろいろと考えてみる子が多かったです。
小さい子たちは少し的外れな回答を出すことも多いですが、他者に思いやりを持てずにいる対象について考えることのできる機会というのはそれだけでプラスになるのではないでしょうか。
■他者のいいところを認めて、傷ついてる人には優しさを
そんな社会で生きてきたゲストキャラ、リルルとピッポに対してのび太たちがやったことに視点を向けてみましょう。
お互いにきちんと向き合って話をしたのは、ピッポが鳥の姿に変わってからだと思います。
最初から上から目線で人間は下等な生き物と言い放ち、ロボットが人間の上に立つのが当然であると宣言したピッポに最初は腹を立てるのび太たちですが、ピッポの歌声を聞いたときは素直にその巧さを絶賛。一気にピッポとの心の距離を縮めます。
そして危険が及びそうなときには庇い、絶え間なく会話を交わす。お互いの考えの擦り合わせを行っていきます。
土砂に埋まったリルルを救ったしずかちゃんも、相手がロボットと知りながらドラえもんの道具を使って手厚い看病を行います。
ロボットの歴史がそのまま人間の歴史の模倣だと感じたしずかちゃんの言葉にリルルが激昂、攻撃した後も、一度は看病を投げ出しましたが結局は戻って看病や世話を続けていました。
看病を受けながら「あんなことをされたのになぜ看病を続けるの。理屈に合わないわ」と疑問を口にしたリルルに、「時々理屈に合わないことをするのが人間なのよ」としずかちゃんは笑って答えます。
他者を認め、傷ついている相手には優しく接する。子どもたちに持って欲しい思いやりを大きく取り上げている作品だと思います。
こちらの作品は、現在Amazonプライム・ビデオでいつでも視聴が可能!ドラえもんに興味が出てきた年頃のお子さんがおいでの方やまだ映画館は早いかも……とお考えの親御さん、是非一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか!
「 ドラえもん 新・のび太の日本誕生 」を大人キャラの視点で見てみた
(あにぶ編集部/井之上)