レクサス、新型のラグジュアリークーペ「LC」を発売
2017年3月16日 17:52
トヨタ自動車の高級自動車ブランドLEXUS(レクサス)は16日、ラグジュアリークーペ「LC」を、全国のレクサス店を通じて発売したと発表した。
【初公開は2016年】レクサス、フラッグシップクーペとして「LC500」をデトロイトで世界初公開
「LC」は、レクサスが変革の象徴として生み出した新型のフラッグシップクーペで、今回「LC500」と「LC500h」が発売された。今後の「FR」ラインアップに展開されるGA-Lプラットフォームやマルチステージハイブリッドシステム、Direct Shift-10ATなど、最先端技術の採用に加え、徹底的な作り込みによって、独創的なデザインや、すっきりと奥深い走りを実現している。
2012年にデトロイトモーターショーで発表したコンセプトカー「LF-LC」の革新的なデザインイメージをモチーフにしており、新開発プラットフォームによる骨格を活かすことで、走行性能とデザインが調和した独創的なデザインが特徴。エクステリアは、低重心かつ低い全高とワイドな全幅でアグレッシブなスタンスを実現し、四隅のタイヤを強調するフェンダーが張り出した、抑揚ある立体構成でクーペとしての機敏さを表現。各部位の表面は艶やかな曲面とシャープなラインで構成され、ラグジュアリークーペにふさわしいエレガントさを強調している。
フロントは、下端からボンネットフードへと続く流れを強調し、ボディと一体化させ躍動感を高めたスピンドルグリルを中心に、新開発の超小型3連LEDヘッドランプユニットと、L字型に発光するLEDクリアランスランプ(デイライト機能付)を配置することで、精悍かつエレガントな表情を演出。リヤは、中央部にフロントからの流れを受けたスピンドル形状のテーマを採用。テールランプ外側から縦下方向に伸びたターンシグナルランプや、マフラーディフューザー左右下端の配置と合わせ、重心の低さとワイド感を強調した。カラーは全11色を設定した。
インテリアは、ドライビングの高揚感を演出するコックピット空間と、乗員を包み込むおもてなしの助手席側空間を融合し、艶やかさと先進的な機能性とを兼ね備えた独自のラグジュアリー性を表現。シートはホールド性や着座時の圧力分散を追求しており、セミアニリン本革シートはホールド性と斬新なデザイン両立のため、シートのメイン部とサイド部を分割したレイヤー構造を採用。アルカンターラスポーツシートは、より高いホールド性を実現するため、表皮一体発泡工法を採用。内装色は、新規開発色のオーカー・ブリージーブルーを含めた全4色を設定。
新開発した「GA-Lプラットフォーム」は、慣性諸元の作りこみやボディの高剛性・軽量化に徹底的にこだわり、FR車が持つ優れた走りとデザインの実現に大きく寄与。フロントミッドシップレイアウトを採用し、エンジンなどの重量物を車両中心近くに配置。軽量のCFRPやアルミ部材の積極的な採用で、重心高を下げるとともに、慣性モーメントを低減し、優れた慣性諸元を追求し、回頭性に優れた素直なハンドリングを実現した。
フロント・リヤともに新開発サスペンションを採用。フロントのハイマウントマルチリンクサスペンションは、運転操作や路面からの入力に対し、より細かな動きをコントロールできるダブルジョイント式上下4本アーム構造を採用し、高い応答性を実現。アーム配置の最適化で、21インチタイヤ装着や低いフード高の実現にも寄与する。リヤのマルチリンクサスペンションも、フロントと同様にジオメトリーの最適化や摩擦低減により、優れた安定性と乗り心地を実現している。
パワートレインには、世界初のマルチステージハイブリッドシステムを採用。レクサスのハイブリッドシステムに有段ギヤを組み合わせた世界初の機構で、高回転化したV型6気筒3.5Lエンジンと走行用モーター両方の出力を制御することで、低速から力強い駆動力を生み出しパワフルな走りを実現する。低速域から高速域まで、システム効率の高い動作点を選択し、EV走行領域も拡大することで、エモーショナルな走りと燃費性能に優れた快適なクルージング走行を両立している。
エンジンには、レクサスのハイパフォーマンスエンジンとして実績のあるV8 5.0L 2UR-GSEエンジンを採用。自然吸気エンジンに求められる優れたレスポンスと躍動的なエンジンサウンドを実現するとともに、直噴機構D-4Sやアトキンソンサイクル化などにより、燃費性能も確保した。
新開発のDirect Shift-10ATは、シフトチェンジの際の心地良いフィードバックと、切れ味の良い変速を実現したほか、構成部品のアルミ化による大幅な軽量化と部品の小型化を実施。また、アクセルやブレーキ、車両のG(重力加速度)から、ドライバーの意図を読み取り、最適なギヤを選択する新制御も採用した。
様々な先進技術も搭載しており、オーディオ、サウンドシステムは、補正をかけない状態で音質を高めるため、機器の基本性能向上に加え、搭載位置も徹底的に検証。ボディ骨格から音響空間を設計し、機器で測定できない領域まで徹底的にこだわり、運転の愉しさを際立たせるサウンドを実現した。
他にも、オートエアコンと連動し、シートヒーター、シートベンチレーションおよびステアリングヒーターを統合制御するレクサスクライメイトコンシェルジュや、スクロールやピンチ操作による画面の拡大を可能とし、操作性を向上させた新型リモートタッチを採用。さらにLFAの意匠・機構を受け継ぐ可動式メーターを採用し、先進的でスポーティなコックピット空間としている。
安全面では、予防安全パッケージ「Lexus Safety System +」を全車標準装備。歩行者検知機能付衝突回避支援タイプ「プリクラッシュセーフティ」、車線逸脱による事故の予防に貢献する「レーンキーピングアシスト」(LKA)、夜間歩行者の早期発見に寄与しロー・ハイビームを自動で切り替える「オートマチックハイビーム」(AHB)、設定車速内で先行車の車速に合わせて速度を調節することで一定の車間距離を保ちながら追従走行できる「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)」をパッケージ化する。
また、エンジンフードを4つの支点でポップアップさせる4点式ポップアップフードをレクサスとしては初採用。低いフードのデザインと万が一の衝突時における歩行者保護性能を両立している。
「LC」の生産ラインは、元町工場に、専用の組立ラインを新たに設置。従来の車両工場とは大きく異なる設計となっており、床面や天井は白一色とし、より作業のしやすい環境を整備。品質確保のため、一人ひとりの作業工程をタブレット端末で確認するなど、最先端の生産システムを導入し、『匠』の技術を発揮できる環境を創りだしている。
メーカー希望小売価格価格は1,300万円~1,450万円(税込)。