福島第一の非常用冷却装置、長期に渡り稼働試験されていなかった

2017年3月14日 17:20

あるAnonymous Coward 曰く、 福島第一原発では津波によって電源が止まり、冷却が行えなくなったためにメルトダウンが発生したのだが、こういった際に使われる非常用復水器(Reactor Core Isolation Cooling Condenser、通称イソコン)について、長年にわたって実際に動かしての試験が行われておらず、経験不足によって震災時の対応が遅れた可能性があるとの指摘が出ている(NHK)。

 非常用復水器は原発から発生する蒸気をプール内に設置した配管に通して冷却する装置。水蒸気の圧力と重力のみで動作するため停電時でも稼動するが、プール内の水が加熱される際に大量の水蒸気が排出されることや、また轟音も発生することから、周辺住民に配慮して実機でのテストが長年にわたって行われていなかったという。

 また、非常用復水器はトラブルの発生時に自動的に起動する仕組みになっていたが、震災の前年まで「30年近く起動しにくい設定になっていた」という。その結果、現場には非常用復水器を実際に扱ったことのある作業員がいない状況となり、被害が拡大した可能性があるという。

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