大根の辛さや色を作る遺伝子が特定、白さを保てる新品種も登場

2017年3月13日 12:13

 東北大学と農業・食品産業技術総合研究機構(以下、農研機構)の研究グループは、ダイコンの辛み成分のもととなるグルコラファサチンを合成する酵素の遺伝子を特定することに成功した。また、グルコラファサチンを合成しない新しいダイコンの新品種も既に2種類が作り出されている。

 突然だが、日本で一番消費量の多い野菜は、ダイコンだそうである。ダイコンは日本で古くから栽培されており、大根おろし、沢庵漬けなど、加工法・食べ方は様々だ。

 調理法にもよるが、ダイコンは基本的に、辛い。また、黄色くなる性質を持っている。これらはいずれも、主に、グルコラファサチンの作用によるものである。

 沢庵漬けは黄色いものだ、ということはご存知かと思う。あれは別に、(基本的には)黄色くなるように何か黄色いものと一緒に漬けこんでいるわけではない。グルコラファサチンは、辛み成分であると同時に、化学変化を起こすと黄変するという性質を持っているのだ。

 沢庵漬けは黄色くてもまあ特に問題はないかもしれないが、加工品の種類によっては、ダイコンの美しい白さを維持したままにしておきたい、という場合もないではない。そこで、長期間保存しても黄変をほとんど起こさない、グルコラファサチンを含まないダイコンが開発された。「悠白」と「サラホワイト」である。

 ダイコンにはもちろん既に多くの品種が存在するが、グルコラファサチンを含まないダイコン、というのはこれらが初めてであるという。

 グルコラファサチンを含まない、さらなる優れたダイコン品種の研究開発が進められているのはもちろんのこと、悠白・サラホワイトを利用した、フレッシュ感を活かしたダイコン加工品の開発も、目下進められているところだという。

 なお、この研究の論文は、Plant Physiologyというジャーナルのオンライン版に既に掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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