センバツ初戦、馬淵監督は清宮から逃げるのか?
2017年3月10日 21:10
■センバツの初戦
10日、89回選抜高校野球大会(以下センバツ)の組み合わせ抽選会が行われ、19日から始まる初戦の対戦カードが決まった。履正社‐日大三高、熊本工業‐智辯学園など、初戦から好カードが目立つ。そんな中最も注目を集めた一戦が早稲田実業‐明徳義塾ではないか。
早稲田実業は一昨年の夏、甲子園で日本中を騒がせた清宮幸太郎がいる。キャプテンとなりチームをまとめた清宮が一回り成長した姿を高校野球ファンの前に現すのは待ち望まれていたことに違いない。昨年は春夏共に甲子園出場を絶たれた清宮だったためその反動はすごい事が予想される。実際昨年センバツが行われていた間、早稲田実業の練習試合の方がマスコミを賑わせていたなんていう場面もあったほどだ。
一方の明徳義塾も甲子園常連校で高校野球ファンで知らないものはいないほどの強豪校だ。しかしこの対戦カードが騒がれているのは何も強豪校同士の対戦や、清宮がいるのはだけ、だからというわけではない。もしかしたら「日本中を震撼させるのではないか?」と思わせるカードだからだ。
■馬淵監督と明徳義塾
このカードで起こり得ることは「清宮への四球作戦」である。何を隠そう、この明徳義塾、馬淵史郎監督こそ、当時星稜のスラッガー松井秀樹に5打席連続敬遠を指揮した監督である。その作戦が功を奏し明徳義塾が次のステージへ駒を進めたわけだが、批判は多かった。もしかしたらそれと同じことが起こるのではないかと懸念している声が上がっているのだ。
この対戦カードが組まれた後馬淵監督は「負けるという場面なら敬遠をしますよ」と語っている。「全打席は考えていないが」と前もって言った上でだが、全打席勝負がかかっている可能性は大いにあり得る。敬遠は見ている側は興ざめするが、プレイをしている側は作戦の一つで反則でもなんでもない。罵声をあびせかけることはして欲しくないが、プロじゃないんだから選手を商品扱いするなとも思ってしまう。
松井が5打席連続敬遠をされた時、恐らく選手達は困惑と悔しさでいっぱいだっただろう。しかし今の選手達は馬淵監督が「そういうことをする監督」というのを知った上で入部している。つまり「どんな指示でもこなす」という基盤が前回の選手達よりできているはずである。馬淵監督がどのような采配を振るうかは見ものだ。
■松井対清宮
春と夏とで甲子園の重みが違うかもしれないが、ここで松井と清宮の架空対決はできているかもしれない。「勝負所での敬遠をアリ」とする馬淵監督が清宮と対峙した時にどう思うかは分からない。松井以上のものを感じ、逃げることを選択するかもしれないし、逆に対峙してみて脅威を感じなかったら、危ない場面でも勝負するかもしれない。
もしかしたら馬淵監督が一番松井と清宮の恐怖感を汲み取れる「野球人」かもしれない。いずれにせよ目が離せない対戦であることは間違いない。