サプリ支出額、16年は過去10年で最高 高齢者に人気
2017年3月9日 11:42
総務省統計局が1月31日に発表した家計調査報告によると、16年度のサプリメント(健康保持用摂取品)に使っている支出額が前年比8%増、過去10年で最高額になった。
同調査は約8000件の2人以上の世帯を対象に、専用の家計簿に支出を記入してもらい、毎月何に対して支出をしたか集計を行なっている。消費支出全体は16年3月から10ヶ月連続で減少している。ボーナスシーズンである12月も生鮮野菜や旅行代、エアコンなどの消費の低下が目立ち、1世帯あたり31万8488円で、消費者の財布の紐が硬いことが浮き彫りとなった。
一方でサプリメントへの支出は16年度累計で1世帯あたり1万5272円。前年比8.3増で3年ぶりに増加。過去10年間で最高となった。落ち込む消費全体から見ると増加率が際立っている。
特にサプリメントを購入している層は「70歳以上」の高齢者が多く、支出額でみると「30歳未満」のおよそ10倍にもなる。健康志向が広がる中、特に加齢による健康に対する不安をもつ高齢者からのニーズが高いのであろう。一方、30代未満の若者は体調を崩したり、体の衰えを感じたりという経験が少ない。高齢者と比較しても健康意識が高くなく、サプリメントにもあまり興味を示さないと考えられる。
アンチエイジング効果があるとされる「ポリフェノール」や、軟骨の老化防止に効果があるとされる「グルコサミン」など、確かに高齢者を意識したサプリメントが人気だ。また、インターネットでサプリメントが盛んに宣伝されているのも要因の1つかもしれない
サプリメントは薬とは異なり、必ずしも効果が現れるわけではないが、飲み続けることによって食事で補いきれない栄養素が効率的に摂取できるというメリットがある。また種類も前述のようにアンチエイジングや老化防止の他に、美容やダイエット、視力防止など、さまざまな訴求をしたものが増え、商品ラインナップも豊富になっている。今後も高齢化が進む中で商品の選択肢が広がり、サプリメントの人気は続くと思われる。(編集:久保田雄城)