アンダーカバー、2017-18年秋冬コレクション発表

2017年3月7日 08:34

 アンダーカバー(UNDERCOVER)は、2017-18年秋冬ウィメンズコレクションをパリ・ファッション・ウィーク4日目の2017年3月3日(金)に発表した。会場は凱旋門からほど近い、コンサートなどを行うシアターだった。

 デザイナーの高橋盾は、理想郷に住む新人類を今シーズン描く。シアターのステージやライティングを用いて、それぞれの役職・階級に該当する人物を音楽の転調と共に、ストーリー仕立てで紹介していく。

 始まりは貴族たちの登場であった。蝶のようなマスクを着けた女性が4人。ベースはエンパイアラインのエレガントなドレスで、一人ひとり生地が異なり、お気に入りのカラーと素材で仕立ててもらったような個性がある。共通しているのはボリューミーなアーム。シルクやプリーツのオーガンザ、ファーなど異なる素材で作られたアームが、権力・地位の象徴と言わんばかりに存在を放っている。

 その後は守衛、軍隊、不良少女、遊牧民、僧侶、扇動者、聖歌隊、新種族、王室と身分・階級の異なる住人たちが数人ずつ紹介されていく。フリルやファーのアーム、ラペルのパッチワークなどで再構築されたミリタリージャケットを合わせているのは軍隊・守衛でないか…。ナイロンアウターやリブなどのディテールを残したロングコートを纏ったのは僧侶ではないか…。現代の我々が想像できるヒントをわずかに残し、彼らのコスチュームが観客を楽しませてくれる。

 ラストは王室の人々ともにフィナーレへ。これまでよりも最も量感のあるドレスを纏った知的な女性たちとその先導を歩く王女とみられる女性。羊のようなヘアスタイルとふわりと広がったドレスを身に着けていて、ブランド内で度々登場するモチーフ・graceをほのかに感じさせる。神秘的で優雅で、それでいてしっとりとした女性が舞い踊り、静かにレッドカーテンの奥へ下がると、夢の地が幻のように消え、今季のアンダーカバーのショーも終わりを迎えた。

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