ピーアールワンがアッシュ・ペー・フランスから独立、「ワンオー」設立

2017年2月28日 08:41

(左から)永谷亜矢子社外取締役、「OH!ショールーム」大坪洋介氏、松井智則社長、岡安一剛取締役、三上剛史執行役員、尾崎功樹氏(小売り・流通担当)、長井美樹執行役員。「国内外の拠点を行き来するようなグローバルな人材を増やす。また、永谷さんのように決断力がありパワフルな女性をどんどん増やしていきたい」と松井氏。

 アッシュ・ペー・フランス(東京、村松孝尚社長)で、アタッシュ・ドゥ・プレス事業や、展示会事業「PR01.トレードショー」などを手がけるPR01.事業部が独立し、あす3月1日から新会社「株式会社ワンオー」(東京、松井智則社長)を始動する。

 PR01.事業部は、前身となる「ヒラオプレス(HIRAO PRESS)」の機能を受け継ぐ形で2006年に発足。国内最大規模のアタッシュ・ドゥ・プレスとしてブランドやデザイナーのPR業務を手がけてきたが、2010年以降は、渋谷の街と連動させた「シブヤファッションフェスティバル」、展示会事業「ルームスリンク」(現PR01.トレードショー)の企画・運営をスタート。また、経済産業省から2012年度クールジャパン事業「原宿+」を、2016年には阪急電鉄から梅田の街づくりに関する業務も受託するなど、年々事業領域が拡大。「今後さらに事業を拡大するには、より柔軟かつスピーディーな決裁への必要性を感じた」(松井氏)ことが、新会社設立のきっかけになった。

 新会社は、PR01.事業部が持つ事業を承継(MBO)する形で、2016年12月19日に設立。あす3月1日から業務をスタートする。従業員数は45人で、社外取締役には、アッシュ・ペー・フランスが運営する展示会「rooms」プロデューサーの佐藤美加氏、「東京ガールズコレクション」の初代チーフプロデューサーを務め、現在も数多くの事業・ブランドプロデュースを手がける永谷亜矢子氏を迎えた。

 今回MBOの対象となる事業領域・名称は、PR・コンサルティング業務全般、アタッシュ・ドゥ・プレス(原宿プレスルーム/PR01. TOKYO)、イベント企画・制作業務、ZOZOTOWN運営、店舗運営(CANNABIS)、卸事業(PR01. SHOWROOM)、ブランド開発生産業務、自社主催コンテンツ(SHIBUYA FASHION FESTIVAL、PR01. TRADESHOW、TOKYO FASHION FILM)。

 ブランド発掘から、PR・マーケティング、プロダクト化、流通までの4つの事業をワンストップで提供できる強みを生かしつつ、「より時代感のあるものにアップサイクルしながら事業を拡大していく」(同社)。若手クリエイターに加え、エシカルやアート分野への投資にも力を入れるとともに、台北や上海、パリ、ニューヨークなど海外に広がる事業拠点を生かし、日本・海外ブランド双方のグローバル展開を促す。

 特に、新規卸事業「OH!ショールーム」では、米LAに在住し、40年間に渡りブランド発掘に携わる大坪洋介氏を中心に据え、欧州ブランドの日本・アジアにおける独占販売事業を進める。すでに「バナナタイム(BANANATIME)」(蘭)や「アトリエ&リペアーズ(ATELIER&REPAIRS)」「ヴェルヴェット バイ グラハム&スペンサー(Velvet by Graham & Spencer)」「ラカーサ(LACAUSA)」「インダストリー オブ オール ネイションズ(INDUSTRY OF ALL NATIONS)」(米)を含む6ブランドについて、2017秋冬から日本市場(一部アジアも含む)で販売することが決まっている。

新会社のロゴ

 会社名「ワンオー(OneO)」は、出会いや新しい文化がつながった“丸い地球”をイメージした。「新しいブランドを立ち上げる動きがこの10年間で少なくなったと感じる。グローバルな都市戦略を生かし、まだまだ見つけることのできていないものや人をつなげていきたい」と松井氏。現在の事業部売り上げ約15億円を3年後には50億円まで拡大させる計画。「10年後には1,000億円を目指したい」と意気込みを見せた。

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