米連邦地裁、海賊版サイトにホスティング提供だけでは間接侵害ならない

2017年2月26日 11:29

米カリフォルニア州中部地区連邦地裁は16日、Webホスティングサービスを海賊版サイトに提供しただけでは、プロバイダーが著作権や商標権を間接侵害したとは認められないとの判断を示した(TorrentFreakの記事Softpediaの記事裁判所文書: PDF)。 この裁判は昨年8月、海賊版サイトによる侵害行為にCDNプロバイダーやWebホスティングプロバイダー、広告ネットワークが加担したとして、アダルトエンターテインメント企業のALS ScanがCloudFlareなどを訴えていたもの。10月には広告代理店Tiger Mediaに対する訴えが棄却されており、CloudFlareに対する訴えも部分的に棄却されている。今回判断が示されたのは、第2回目の修正訴状(SAC)のうち、WebホスティングプロバイダーSteadfastに対する部分だ。Steadfastは著作権および商標権の間接侵害行為を主張するSACに対し、棄却申立を行っていた。 判事は海賊版サイトの著作権侵害行為に対し、Steadfastによる重大な貢献はなく、誘引も行っていなかったと指摘。また、Steadfastには海賊版サイトを管理する権限もなく、直接的な利益を得ていたわけでもない。そのため、Steadfastは単にホスティングサービスを提供していただけであり、著作権間接侵害の成立要件は満たさないと判断した。 商標権の間接侵害については著作権の間接侵害よりも成立要件が厳しく、被告が直接的な侵害者に対し侵害行為をするよう意図的に誘導したか、侵害者が偽の表示をして販売することを知りつつ継続的に商品を提供し続けたか、のいずれかを満たす必要がある。しかし、SACではいずれの行為についても裏付けとなる証拠が示されていないとするSteadfastの主張に判事は同意している。 このほか、SteadfastはDMCAのセーフハーバー条項でプロバイダーは保護されるとも主張していたが、判事は間接侵害の不成立により、その他の棄却請求事由を検討する必要はないとしている。なお、セーフハーバー条項適用について法律面だけで判断することは難しく、被告側から十分な証拠が示されないことも多いため、裁判所の多くは棄却請求の段階での判断を避けているそうだ。 スラドのコメントを読む | ITセクション | 海賊行為 | インターネット | アメリカ合衆国 | YRO | 法廷 | スラッシュバック | 著作権

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